突如Twitter(もといX)に現れた謎の体育会系お兄さん「ジョージ」。
彼の放った一言は、全チー牛男性を絶望の淵に叩き落とした。
「スポーツ経験ない男は厳しいって。モテないって笑」
「最後に腹から声出したのいつ?笑」
彼の動画は瞬く間に拡散され、世界中の男たちのハートに何かしらの変化を起こした。
ジョージ面白いよな
おれは好きだぞ
チー牛の僕にはガッツリ刺さっちゃったな
ジョージの言う「スポーツ経験ない男は厳しい」という言説は正しいのでしょうか。
確かにモテの観点で言うと学生時代にモテていたのはみんな運動部だったような気もします。
ジョージの言っていることは一定程度正しい気もするのですが、実際はどうなのでしょうか?
そこで今回はジョージの主張する理想の男像の科学… と題しまして「スポーツ経験がない男は本当に厳しいのか?」について真面目に学術論文を使って解説していこうと思います。
確かにスポーツやってる男はモテる
経験則からも明らかではありますが、確かにスポーツをやっている男性はモテる人が多いです。
そしてこれらについてはいくつもの研究結果が支持しています。
やっぱり、ジョージの言ってることは正しい ってことでいいのかな
まぁ、まずは学術論文の結果を観てみようじゃないか
最初に
「スポーツ経験のある男はモテる(かもよ)」
と言う研究結果を紹介します。
男性の筋肉量はモテの直接的な予測因子
そもそも論、男性の筋肉は女性と比較して明らかに多く そんな男らしさにときめく女性も多いでしょう。
実際にさまざまな学術研究が、筋肉量とモテの関連性を示しています。
2007年の研究を紹介します。筋肉質な男性はそうでない男性と比較して肉体的に支配的で気性が荒く、交際相手への献身度が低いと評価されます。
As predicted, women rate muscular men as sexier, more physically dominant and volatile, and less committed to their mates than nonmuscular men.
Why Is Muscularity Sexy? Tests of the Fitness Indicator Hypothesis
一方で筋肉質すぎる身体は魅力を低下させることがわかりました。
Consistent with the inverted-U hypothesis of masculine traits, men with moderate muscularity are rated most attractive.
Why Is Muscularity Sexy? Tests of the Fitness Indicator Hypothesis
他の特徴(例えば、体脂肪)をコントロールした場合、筋肉質の男性は、女性にとってセクシーで、生涯のセックスパートナーがより多く、短期間のパートナーがより多く、交尾した女性との不倫がより多いことが判明しました。
Across three studies, when controlling for other characteristics (e.g., body fat), muscular men rate their bodies as sexier to women (partial rs = .49-.62) and report more lifetime sex partners (partial rs = .20-.27), short-term partners (partial rs = .25-.28), and more affairs with mated women (partial r = .28).
Why Is Muscularity Sexy? Tests of the Fitness Indicator Hypothesis
このように、スポーツに真面目に取り組んで引き締まった身体を手に入れているのなら あなたはそうでない男性と比較して女性にモテやすくなるでしょう。
筋肉を増やすと、脂肪が取れて顔もシャープになるからな。
当然外見的魅力も引き上がるだろう。
更に研究では、スポーツをすることで意外な効果も期待できることを示唆しています。
スポーツをやるとそうでない場合より性格が良くなる
スポーツに真剣に取り組めば、おそらくあなたの肉体的な変化があるでしょう。その結果モテるようになる… は正しそうです。
更に、スポーツをしている人は外見だけでなく内面も魅力的なのでは?と言うことを示唆する研究もあります。
2016 年の研究を紹介します。運動習慣がある人は、年齢や性別問わずあらゆる性格特性が良好でした。
Lower Neuroticism and higher Conscientiousness were associated with more physical activity and less inactivity and sedentary behavior. Extraversion and Openness were also associated with more physical activity and less inactivity, but these traits were mostly unrelated to specific sedentary behaviors (e.g., TV watching). The results generally did not vary by age or sex.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0092656616300368?via%3Dihub
研究では16件のサンプルから125,000件以上のデータを抽出し解析を行いました。
信頼度の高いメタアナリシスになります。
この研究は、スポーツ経験と性格特性(ビッグファイブ)の間の関連性を調べたものになります。
ビッグファイブって何?
人間の性格特性は、たったの5つに分類できる。
その性格特性の指標をビッグファイブと言うんだ。
このブログでは度々性格特性に関する話題を取り上げていますが、このビッグファイブはその際に頻繁に出てくるでしょう。
ビッグファイブは人間の性格特性を5つに分類し、どの特性がどれだけ多いか?をスコア化して性格を調べるものになります。
運動習慣は、手っ取り早くあなたの性格を改善する方法の一つです。性格改善のテクニックを「セカンドネイチャー」と言い、いくつかのテクニックを紹介しているので 興味があったら観てみてください。
さて、身体が引き締まっていて性格も良い… ってなったら確かにモテそうな気はします。
やっぱスポーツの大勝利じゃん
まぁやるに越したことはないよな。
ここまで読んで、ジョージ メンズコーチ(お前の親友)の言ってることは正しかった!! となりそうですし、実際正しいのですが そこである疑問が浮かびます。
小学校〜高校まで12年間もやった体育はなんだったんだ???
体育を高校まで12年間やったのにチー牛のお前ら
確かに、スポーツがモテに寄与することはわかりました。ジョージ メンズコーチ(お前の親友)の主張も誤りではない と言うことを学術論文を使って紹介してきました。
では、小学校から12年間も受けてきた体育という授業は一体なんだったのでしょうか。
おれは体育の授業嫌いだったな
わかるぅ〜
そして、ジョージ メンズコーチ(お前の親友)の主張が正しければあなたは既に非モテではなく 女性を好きなように操れるモテ男になっていたかもしれません。
でもなっていない …ということは、そこに何か理由があるのでしょうか。
子供に何か介入すれば きっと将来有利になる!! …という子育て幻想
少し話が遠回りになりますが、子育ての話をしてみましょう。
日々新婚カップルたちが子育てに奔走し、大変ながらも充実した日々を過ごされていると思います。
そんな子育てですが
「正解がないからこそ難しいし、だからこそ親は大変」
という現実があります。
…が、これがもし嘘だったら???
え?子育てなんて正解ないでしょ???
いや。
必ずしもそうとは言い切れないかもしれん。
「子育てに正解はない!!」
と言いますが、行動遺伝学が支持するのは
「必要以上に頑張ったところで無意味だよ」
という点です。
子供の将来は
①遺伝子
②非共有環境(家庭以外)
でほぼ全てが決定されることが、あらゆる研究から示唆されており ほぼ答えが出てしまっている状態です。
「子供が将来どんな人間になるか?」という問いの答えは「ほとんど遺伝子、次に非共有環境で決定する」ので、ジョージ メンズコーチ(お前の親友)の言うように
「スポーツ経験ない男は男としてのパーツに欠ける」
は必ずしも支持できません。
なぜならかなりの割合あなたの人生は遺伝子で決定してしまうからです。
更に、スポーツ経験のある人たちを調べた直接的な研究では スポーツ経験があっても「男としてのパーツに欠けそうな人はいくらでもいる」ことが示唆されています。
アスリート メンヘラ多すぎ問題
スポーツ経験のない男は危機感持った方がいい… と言いますが、正直
「スポーツに打ち込んでいる人も危機感を持った方がいい」
かもしれません。
えぇぇぇぇ!!!?
流石にそれは言い過ぎでは?
そんなことはない。
いくつか研究結果を紹介しよう。
2015年のFIFPROの調査を紹介します。調査では現役サッカー選手の38%がうつ病の症状を経験していることが明らかになり、業界ではサポートが明らかに不足していると認識されています。
A 2015 FIFPRO study revealed that 38 percent of active players have experienced symptoms of depression, with a distinct lack of support perceived in the industry.
Mental health issues have reached worrying levels amongst players
この調査は、アスリートのようにスポーツに打ち込んでいる人は必ずしもメンタルヘルスが良いわけではないことを示唆しています。
更に日本の大学生アスリートを調査した研究でも、アスリートのメンタル状態に対して重要な示唆を与えています。
2020年の研究を紹介します。日本のアスリートを調査した結果では、アスリートの燃え尽きと抑鬱状態には性の相関があることが判明しました。
In Study 2, a positive correlation was found between athlete burnout and depressive states. Individuals with severe athlete burnout faced 3-4 times the risk of moderate-to-severe depressive states than individuals without severe athlete burnout.
Association of Athlete Burnout with Depression Among Japanese University Athletes
研究では 21競技373名(M=20.01, SD=1.27)の大学生アスリートを対象に抑うつ状態の重症度を測定して調べられました。
このように研究が支持しているのは
「スポーツやっていても鬱になるやつは鬱になる」
ということです。
「スポーツ経験」の有無は、その男性の人間性を担保しないことはわかっただろ。
まぁそうなるか。
じゃあどうすればいいか?
これまでジョージ メンズコーチ(お前の親友)の言うように
「スポーツ経験のない男は危機感を持った方がいい」
は正しいのかどうか検証してきました。
結論
「スポーツは肉体的精神的に効果はあるが、スポーツをやっていてもメンヘラになるやつはいる」
ということです。
じゃあどうすればいいのよ
ここからはいくつかの処方箋を紹介して終了しよう。
効果は限定的… とはいえ、間違いなく筋トレは効果がある
まず重要な点は
「効果の程度は個人差があるかもしれないが、間違いなくスポーツや筋トレは効果がある」
という点です。
換言すれば
「とりあえず、身体を動かすとこから始めろよ。それは十分効果が期待できるぞ」
ということです。
スポーツや筋トレが肉体的精神的にプラスの作用をするのは間違い無いだろう。
うぅっ。、
いくつかの記事を紹介します。
ジョージ メンズコーチ(お前の親友)が激推ししている筋トレは、間違いなくあなたの人生を好転させてくれます。
とりあえず脳死でジムの契約することは大きな意味があるかもしれません。
更に筋トレをすると、ジョージ メンズコーチ(お前の親友)が親の顔より見た単語「テストステロン」の分泌量が増えるでしょう。
テストステロンは、男性の人生を左右するほどの大きな意味をもつ男性ホルモンです。
テストステロンが増えれば、あなたが変化する大きな一歩になることでしょう。
スポーツや筋トレが身体にいいのはわかったけどさ。
でもメンヘラになるやつはメンヘラになるんでしょ?
まぁそこに対する処方箋も追加しよう。
これまで「スポーツをやってもメンヘラになるやつはメンヘラになる」と述べました。
筋トレやスポーツだけで効果がないとしても、次のことを試すと良いでしょう。
自分が強者になれるフィールドを発見せよ
インターネット上では、以下のような言説が頻繁にバズります。
「体育会系は就職した後もうまく行く。」
確かに。
ツーブロックゴリラがイケイケな仕事してる姿は想像できるけどな。
いやいやw
それも否定しておくか。
世の中には
「株式会社電通」
「株式会社オープンハウス」
のような、超体育会系の企業が存在します。
そして、体育会系の人がここでうまく行くかというと必ずしもそうではありません。
なぜならうまく立ち回れるかどうかは
あなたの相対的な立ち位置で決定する
ものであり、実際にこれらの企業から逃げていく体育会系は枚挙にいとまがありません。
オープンハウスの社風は以下参照(コッカラッス)。
動画の久保田さんが可愛いのは宇宙の定義ですが、それはさておき
「この環境でドライブできる人は、この環境の中で相対的に強者だから」
ということは頭に入れておきましょう。
「オープンハウスを逃げ出したからあなたは弱者」というのは正しくない。
なぜならあなたの評価はさまざまな指標と運で測定されるもので、別の環境なら十分輝ける可能性があるからだ。
換言すれば
「スポーツ経験の有無に関わらず、あなたが相対的に強者になれる環境があれば輝ける」
という点です。
ツーブロックゴリラを遊戯王のカードショップに連れて行ったら、百戦錬磨の彼らだって縮こまってしまうことでしょう。それだけフィールドは大切なのです。
ちなみにモテの観点でも、オタサーに所属している弱者っぽい男の下半身事情がめっちゃ激しかったり 鉄ヲタ界隈で恋人を見つけてゴールインした人も知っています。
スポーツ経験の有無ではなく、自分が陽キャ的振る舞いをできるフィールドを探すことが重要です。
ジョージ メンズコーチ(お前の親友)の主張は、完全には否定できない一方 自分には自分のフィールドが存在するんだぜ …と主張してこの記事を終わろうと思います。
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