近年インターネットを中心に聞かれる「チー牛」という言葉。
元々インターネットを中心に聞かれる単語でしたが、最近私の周りでリアル世界にもこの単語が染み出してきたことを感じる場面があります。
この単語、THE ネットスラングって感じするよな。
おれのことそのままズバリで笑っちゃった。
この単語ですが、拡散のきっかけはネット掲示板の「5ちゃんねる」だそうです。
301 風吹けば名無し 2018/07/19(木) 17:11:15.64 ID:0V7RAyaFa
就労移行支援で面白かったのは利用者の若い男が皆同じ顔をしてた事
ザ・陰キャって顔
眼鏡
黒髪
子供のような髪型
覇気のない抜けた顔
(悪い意味で)童顔
大人なのに中学生のようで気味悪い
10人いたら8人がそんな顔
その後瞬く間に拡散され、コロナ禍に突入してから一気に市民権を得た単語になりました。
現在では、Google Trendsを確認しても 安定的に検索されている単語のようです。
この「チー牛」という単語ですが、自虐的に使用する人もいますが 元々は発達障害者や就労移行支援の利用者の顔立ちのイメージとして拡散されました。
そして現在では、男性の蔑視的な意味合いで使用されることが多いようです。
もしあなたが親なら、自分の子供をチーズ牛丼にしたくはないはずです。
そこで今回は、子育ての科学のダークサイドと題しまして
「いかにして、男性はチー牛になっていくのか?」
を科学的に解説していきたいと思います。
Attention!
ここで強調したいことは、特定の個人を攻撃したりする意図があるわけではないということです。
何なら私もチーズ牛丼側の人間なので
「分かっている人間のアドバイス」
的なことをしようとしているわけではありません。
ここでは、私が調べた限りの学術論文の成果を紹介し、そこから気づきや新しい視点を提供しようと考えています。
科学的にどこまで分かっているか?を整理して紹介しようとしているだけだ。
そこからどんなネクストアクションにつなげるかは個人の自由だが、決して批判や侮蔑を込めて書いた記事ではないことを強調しておく。
まぁMurasakiくん自身もチーズ牛丼なんだしね。
チー牛が悪であるとは言っていません。何なら、ここでは解決策も私が調べた限りで提案していく予定です。
大迫力の学術論文を、ぜひお楽しみいただければと思います。
そもそもなぜチー牛が生まれるか?
まず事実として知っておきたいのは、チー牛は「性的二型」の特徴に乏しい点です。
人間は思春期以降、男性的 女性的な特徴を強調するように成長します。
このように、生殖器以外の性別の違いを指す特徴を 生物学の世界では「性的二型」と言います。
この性的二型がはっきりしている男性は男らしくなるし、女性は女らしくなる。
なるほど。。、
2015年の研究を紹介します。発達障害と特に自閉症スペクトラム障害(ASD)は、高いテストステロン値との関連が以前には考えられていましたが、最新の研究ではその関連性が否定され、むしろASD男性は両性的な特徴を持つことが示唆されています。
males and females with high levels of autistic-like traits generally showed less sex-typical facial features than individuals with low levels of autistic-like traits.
Sexually dimorphic facial features vary according to level of autistic-like traits in the general population
つまり、チー牛特有の(悪い意味での)童顔さは 性的二型の特徴の薄さに起因したものであると考えられます。
更に、男性の社会は競争社会です。
性的二型の特徴が強い男性は、荒く猛々しい一面もいる一方で、行動力がありリーダーシップを発揮し 集中力も高いので当然ですが男性社会ではリーダー的な存在になります。
これは男性ホルモンのテストステロンに関連した特徴で、チー牛はその逆の性質を持った「弱々しく、男性社会の下位的存在」になってしまうことでしょう。
そして、性的二型の特徴に乏しい彼らは 異性から魅力的であると評価されずらいことも分かっています。
つまり、端的に言えばチー牛男性は生命の交配ゲームにおいて厳しい戦いを強いられることになります。
待って待って。
だとしたらなんでチー牛遺伝子は淘汰されないのさ。
非常にいい質問だ。
ここからは、なぜチー牛属性が淘汰されないのか説明しておこう。
人類学的な説明
これまで、チー牛男子は性的二型に乏しいゆえモテず その結果「チー牛遺伝子」は淘汰されるのでは?と指摘しました。
しかし、人類学の研究ではこれに対して反論しています。
2024年 ペンシルバニア大学(University of Pennsylvania)の研究を紹介します。ADHD特有の注意力散漫や衝動性は、食糧採取に役立った可能性があることが示唆されました。
研究ではアメリカ在住の成人457名(平均年齢45.6歳、男性232名、女性217名、その他8名)を被験者とし、茂みの中からできるだけ多くのベリーを収穫するゲームに取り組んでもらいました。
Biological Sciences, the group suggests such individuals may have helped their groups by venturing beyond established boundaries, leading to the discovery of new game to hunt or plants to eat.
ADHD linked with proclivity to explore: Research suggests it may have helped early hunter–gatherer groups
ゲーム内では、道の左右に並んだ茂みの各ポイントにカーソルを合わせると収穫でき、採集を続けるごとにその茂みから得られるベリーの数は減っていきます。
被験者は同じ茂みで限界まで採集を続けることもできますし、新しいポイントに自由に移動することもできます。
新しいポイントではまた勢いよくベリーが取れ始めます。
同時に、被験者にはADHDスコアを測定するテストも受けてもらい、206名がADHD被験者として選ばれました。
結果として、ADHDの人は同じポイントに留まっている時間が短く 結果として多くのベリーを収穫していることを発見しました。
遺伝的な疾患であるADHDの人は、確立された境界線を越えて冒険することで狩猟する新しい獲物や食べる植物を発見し、集団を助けた可能性を示唆しています。
以上から、遺伝子としてはADHD的な要素を淘汰せず 集団でその遺伝子を保持することに一定の合理性があることが研究から示唆されました。
でもADHDっぽい男性はモテないんでしょ?
だとしたら、その遺伝子は淘汰されちゃいそうな気もするけどな。
ADHD的遺伝子が淘汰されなかった理由は、男性ではなく女性側にあるのかもしれない。
心理学的な説明
これまで、発達障害的男性はモテない一方 狩猟採取で有利で集団を助けた可能性があることを説明してきました。
そして、このような特性の遺伝子が淘汰されないのは女性に理由があるかもしれません。
というのも、チー牛属性を持った女性は 男性から好意的に解釈されるためです。
2017年の研究を紹介します。ASD(自閉症スペクトラム)の被験者を定型発達の被験者に評価してもらったとき、事前に「この人はASDですよ」と知らされた場合の方が好意的に解釈されることを発見しました。
First impressions were less favorable for ASD participants compared to typically developing controls across a range of judgments, but were significantly more positive when accurately labeled as ASD compared to when no label was provided, when mislabeled as typically developing, or when mislabeled as having schizophrenia.
First impressions of adults with autism improve with diagnostic disclosure and increased autism knowledge of peers
この結果ASDに対する啓蒙活動が当事者の生きづらさを緩和することを示唆した一方で、当事者の性別が女性であればより好意的に解釈されることを発見しました。
Greater autistic traits for the ASD and typically developing participants were associated with less favorable first impressions, and females were rated more favorably than males.
First impressions of adults with autism improve with diagnostic disclosure and increased autism knowledge of peers
これは、女性であるだけで男性よりも好意的に解釈される認知バイアス「Women are Wonderfu Effect」の一例であると考えられます。
女性のASDが好意的に解釈されると何がマズイの?
女性は比較的生殖において有利だから、そのような特性を持った女性も子供を作ることができる点だ。
さまざまな研究で、女性が生殖において男性と比して有利であることが示唆されています。
2017年の論文を紹介します。
男性の場合、魅力的でないことは、パートナーを見つける可能性を低下させ、大卒のパートナーを見つける可能性を低下させ、より高い教育レベルのパートナーを見つける可能性を低下させることが示されました。
女性の場合、身体的魅力はこれらの事象が起こる可能性には影響しません。また、労働者階級出身者が高学歴のパートナーを見つけるためには、身体的魅力がより大きな影響を与えることもわかりました。
For men, the results show that being unattractive decreases the likelihood of finding a partner, of finding a partner with a university degree, and of finding a partner with a higher educational level. For women, physical attractiveness does not affect the likelihood of any of those events occurring.
https://www.ingentaconnect.com/content/cis/reis/2017/00000159/00000159/art00007;jsessionid=3a8g9572mgs7q.x-ic-live-03
ここでは外見的魅力とパートナー獲得について触れましたが、Women are Wonderful Effectによって女性はパートナーを見つけやすいのでASD的遺伝子が淘汰されずに残ったのでしょう。
後天的にチー牛を爆誕させる要因は何か?
これまで、チー牛的遺伝子は
- 種全体では、その特性が有利に働くかもしれない
- 女性が持っているチー牛的遺伝子は受け継がれやすい
の2点から、淘汰が難しいことを指摘してきました。
チー牛って先天的に決まるの?
いや。
おそらく後天的な要素も絡んできている。
先天的なチー牛要素はどうしようもない… と言われればそれまでなのですが、どうやら科学的には「チー牛要素を後天的に強化してしまう要素」もいくつか発見されています。
換言すれば子供を遺伝子淘汰レースの敗北者に育てたければ、これらの行動を取れば良い という方法論が確立されているのです。
よって、先天的な遺伝ガチャには目を瞑り 後天的なチー牛製造因子を考えてみたいと思います。
いじめや親の過干渉は、チー牛製造の予測因子
すでに述べた通り、チー牛は後天的にも獲得可能 or 強化可能な特性かもしれません。
2012年の研究を紹介します。発達障害的特性を持っている男性は、親の過干渉や虐待 いじめなどの要因でコルチゾール値が幼少期から高い状態にあることが判明しています。
Analysis showed significantly higher peak cortisol levels and prolonged duration and recovery of cortisol elevation following the blood-stick stressor in children with autism.
Enhanced Cortisol Response to Stress in Children in Autism
更に解析の結果、自閉症児では、採血ストレッサー後のコルチゾール濃度のピーク値が有意に高く、コルチゾール上昇の持続時間と回復時間が長いことが示されました。
チー牛は「性的二型」の特性に乏しいことを指摘しました。
男性ホルモンであるテストステロンは、性的二型の発現を決定づけると同時にストレスホルモンのコルチゾールで優位に減少することが示唆されています。
よって
親の過干渉といじめは子供をチー牛にする
と心得るべきだと筆者は考えます。
なんとなく察していたけどな
結構キツイな これ
だとすれば、親ができることは 子供に対して干渉しすぎず いじめを受けていると感じたら直ちに介入し学校・警察に通報することでしょう。
子供を遺伝子淘汰競争の敗北者にするかどうかは、親の行動次第かもしれません。
ここからは、子供をチー牛にしないために何をすべきか考察して この記事を終わりたいと思います。
子供を遺伝子淘汰競争の敗北者にしないために
これまで、親の過干渉といじめは子供をチー牛にしてしまう可能性があることを解説しました。
ここからは、その最悪の未来を避けるための処方箋をいくつか提案してみようと思います。
ここから先は、読んでいる人にとってもキツい研究結果かもしれん。
ただそれでも読んでほしいと個人的には思っている。
了解しました…!!!!
子供をチー牛にしない方法① : 親の過干渉ブロック
そもそもの理解として、子供にあれこれ干渉することは 子供の成長に何か意味があるのでしょうか。
確かに子供は可愛いですから、子供のためにあれこれ尽くしてあげたいという気持ちは大変よく理解できます。
ですが、学術研究は示唆するのは なかなか残酷な事実です。
行動遺伝学ではほとんど答えが出揃っていて、親ができることは
安全な衣食住を提供し愛情を注ぎ子供に冒険をさせること以外ほとんど何もない
と示唆しています。
なぜなら、子供の将来は 遺伝子でほとんど決定されているため、親が介入してもほとんど意味をなさないからです。
え〜。
これは残酷すぎない?
研究結果を見ればほとんど明らかだ。
遺伝子 VS 環境
双子の子供は、父親と母親から同じ精子と卵子をもらって成長しているので 遺伝子的には全く同じ構造をしています。
遺伝子が同じ子供は、環境を変えても将来ほとんど同じ人間に育ちます。
2022年の研究を紹介します。一卵性双生児である2人の性格や病歴等38の項目を調査しましたが、そのほとんどが一致する結果となりました。
特にこれらは先行研究であるミネソタ双生児研究(Minnesota Study of Twins Reared Apart)で発見された遺伝的影響と一致しました。
This report documents the behavioral, physical, and medical similarities and differences of monozygotic female cotwins, raised separately by an adoptive family in the United States and the biological family in South Korea. Similarities were evident in personality, self-esteem, mental health, job satisfaction and medical life history, consistent with genetic influence found by the Minnesota Study of Twins Reared Apart and related studies. An overall twin correlation across thirty-eight measures was r = 0.95, p < .001.
Personality traits, mental abilities and other individual differences: Monozygotic female twins raised apart in South Korea and the United States
研究では2歳の時に生き別れとなった双子が再開し、研究者が彼らに接触することで確認されました。
ほとんどの項目で遺伝子の影響が顕著なので、遺伝子による影響で大まかな人生が決まってしまうようです。
いや。でも環境だって大事でしょ?
その通りだ。だが、その影響は限定的かもしれない。
環境は子供の成長において意味を成すか?
子育ての議論で、遺伝子 VS 環境の対立はよく耳にします。
環境ももちろん重要です。しかし、子供の成長において重要なのは家庭のような「共有環境」ではなく、家庭の外の「非共有環境」であることが 行動遺伝学的にはほとんど合意が取れているようです。
上記のグラフの下が、才能を説明するのは「遺伝子」「共有環境」「非共有環境」のどれか?を示したグラフです。
見ていただけると分かるとおり、幼少期以外ではほとんどが共有環境の影響などなく 遺伝子か非共有環境でほとんどの能力が決まってしまうようです。
以上から、親の心配や過保護・過干渉はほとんど無意味で
適切な非共有環境に子供を飛び込ませる
ことが 子供を成長させるのだと分かります。
進化心理学的説明
進化心理学的には以下のように説明されます。
サバンナの時代、子供は生まれてもすぐに亡くなってしまう存在でした。
多くの子供が成人を迎えることができず、遺伝子のバトンを後世まで伝えること自体が困難だったのです。
よって生物の繁殖競争に勝利するための戦略として、母親としてとるべき選択は「可能な限り多くの子供を産む」となります。
すると子供には何が起こるでしょうか?
端的に言ったら、新しい子供が生まれたので 母親はこれまでのように自分に対してリソースを提供してくれず 自分の時間が大きく増えることになります。
じゃあ、誰が助けてくれるのさ?
結論から言うと、同じ村の子供たちだ。
母親は新しい子供の子育てに必死で、もはや今までのように自分に時間を割いてくれません。
よって子供は、新しい知識や生き方を習得するために 母親以外の誰かを頼らなければならないのです。
そのようなものを教えてくれるのは、同じ村や集団に住んでいる 自分より少し年上の子供たちでしょう。
このようにして、人間の子供は 家庭ではなく村の子供たちのような非共有環境から様々なことを学べることを遺伝子レベルで知っています。
このように非共有環境に子供を飛び込ませることは、子供の成長において極めて重要です。
その一方で、その環境を好意で阻害してしまう可能性がある人がいます。
母親です。
親の過干渉ブロック ≒ 母親ブロック
様々な研究で、そもそも女性は
「非共有環境に飛び込んで冒険する」
といった拡張的な行動と相性が悪いことが示唆されています。
女性の社会的な生存戦略を整理した学術研究を見れば明らかでしょう。
2013年の研究を紹介します。女性は幼少期以降、報復のリスクを最小限に抑え、他の女子の力を削ぐ戦略を用いて競争することが判明しました。
From early childhood onwards, girls compete using strategies that minimize the risk of retaliation and reduce the strength of other girls. Girls’ competitive strategies include avoiding direct interference with another girl’s goals, disguising competition, competing overtly only from a position of high status in the community, enforcing equality within the female community and socially excluding other girls.
The development of human female competition: allies and adversaries
女子の競争戦略を以下に列挙すると
- 他の女子の目標への直接的な干渉を避けること
- 競争をしていない風を装うこと
- 共同体の中で地位の高い位置からのみあからさまに競争すること
- 女性共同体内で平等を強制すること
- 他の女子を社会的に排除すること
でした。
このように、平等を強制して互いに監視し合い 子供に優しさで安全牌を強要する結果
子供が危険な目に遭って欲しくない
→子供の交友関係に口出ししたり 懸念のある子供との付き合いをやめさせようとする
→子供の異性関係に過度に干渉する
子供に将来失敗して欲しくない
→過度な受験戦争に子供を投入する
→子供に安牌な大企業に就職させようとする
→大学の入学式・卒業式についてくる
→就活の親ブロック
これらを全て好意でやるのが母親です。
私はかつて某学習塾で中学受験の指導を行っていました。その中には、過干渉な母親が何人もいて我々講師を困らせてきた経験があります。
いや〜。
思い当たるけどさ。
子供に過干渉すると、子供は弱者男性になる。
でも好意でこうゆうことをやってしまうんだ。理解はできるがな。
かつて
「女に子供を育てさせると子供が弱くなる」
と称して、寮制度や乳母など 様々な方法で子供を母親から引き剥がしました。
一見科学的根拠のない悪しき昭和の風習に見えますが、科学的にはこれらは正しかったのかもしれません。
ちなみに
「女に学は不要」
「女は仕事をせず、家で子供と家庭を守っていればいい」
という悪しき昭和の風習も、科学的には一定の合理性があることが示唆されています。
令和という時代は、昭和の因習とそれを支持してしまう科学的根拠を踏まえて どのように折り合いをつけるか決定する時代なのでしょう。
特に男の子なら、生殖競争に勝利するために 将来的に何かしらの闘いに自分で挑み勝利して そこで女性に選択してもらって子供を成します。
母親の愛情で男の子の行動を制限することや、過度な受験戦争に飛び込ませることは百害あって一利なしと言って良いでしょう。
じゃあ、母親の役割って一体…
一才の愛情を受けずに育った子供は、それはそれで残酷な結末を迎えるだろう。
要は「何事もほどほどに」だ。
ただし、愛情を一歳受けずに育った子供の将来も残酷です。
適度に子供を愛し、必要に応じて適切な非共有環境に子供を飛び込ませることが、科学的に正しい母親の役目なのです。
すでに述べましたが、子供の将来なんてほとんど遺伝子で決まっているのです。
親が頑張って介入しても、加点になることなどほとんどないのです。
ですが、減点はいくらでもできます。
要は子育てで過度なプレッシャーを感じることなく、純粋に愛情を注いであとは放置プレイでもちゃんとまともに育つのです。
子供をチー牛にしない方法② : いじめカウンター
そもそもいじめが発生する原因はなんでしょうか。
これらについて理解を深めることは、子供が壊れてしまう前に親がアクションできるきっかけになることでしょう。
ただし、原因を探る前に
いじめの実態は集団内での権力次第で決まる
ことを理解するべきです。
例えば、私は理系のインキャ出身なのですが 大学生になってインキャ集団の中でブイブイ言わせているインキャを何人もみてきました。
一方、体育会系陽キャの集まる「オープxハウス」という企業がありますが、そんな彼らでも一定数がついていけないと言って会社を去っていきます。
このように、実態は集団内での権力によってブイブイ言わせるか底辺になるかどうかが決定することを理解してください。
つまりどうしろと?
子供に
①徹底抗戦を指示する
②よっぽど厳しい状況なら別の環境を用意する
の2点に尽きるだろう。
徹底抗戦を指示せよ
もし子供が学校でいじめに遭っているなら、親としてはいてもたってもいられないでしょう。
そこで重要なのは、まず徹底抗戦を子供に指示することです。
いじめが終わらない理由は「こいつは反撃してこない」と集団の人間がうっすら認識してしまっているからです。だからこそ面白がって周りの関係者以外も攻撃してくるのです。
だとしたらまずは「おれに攻撃することはリスクだ」ということを周りにシグナリングしなければなりません。
要は、いじめっ子のボスを殴り返して「許してください」と言わせるまで殴り続けろと指示すべきです。
小中学生の喧嘩なんて勢いが全てだ。
「あああああああ」って叫びながら力の限り何度も殴りつけるだけで勝ちだ。
…。、
間違えても
「xxxちゃんは悪くないよ。酷かったね。ヨシヨシ」
なんてやってはいけません。
繰り返しますが、反撃してこないと知っているから周りが調子に乗るのです。
すでに述べた通りですが、幼少期のいじめは脳の前頭葉を萎縮させ成人になっても影響を引き摺る一方 いじめの加害者はいじめから成功体験を得てますますテストステロン値が上がり、社会に出てからも成功を収めやすいという何とも無慈悲な因果があります。
この無慈悲な連鎖を断ち切るのは親の役目です。
確かに子供のために寄り添ってヨシヨシしたくなってしまう気持ちも十分に理解できます。
だとしても、心を鬼にして「反撃しないで泣いてるお前はいじめ続けられるから、まずは殴り返せ」と指示するべきなのです。
そしてこれは父親の役目だと思います。
徹底抗戦が通用しないなら環境を変えよ
すでに述べた通り、いじめ被害にあったら親が行うべき最初のアクションは徹底抗戦の指示です。
いじめの連鎖、そして将来にわたって影を落とす不幸の因果を断ち切るために たとえ厳しい判断だとしても心を鬼にしてください。
一方で、10対1のような 物理的に徹底抗戦が難しい場合もあるでしょう。
これってどうにもならないんじゃ。。。、
いや。方法はある。
この場合でもファーストアクションは徹底抗戦一択です。
ただし、方法は少し違います。
それは負けてもいいからリーダー格の人間を殴って、反撃の意志と実行力があることを周りにシグナルすることです。
うまくいけば周りの取り巻きも 自分が反撃されるリスクを理解して二度と虐めてこないでしょう。
ただし、そこまでやった上で解決に至らないケースだってあるはずです。
その場合は戦略的撤退も視野に入れてください。
なんで?
オープンハウスを退職するゴリゴリ体育会系の陽キャを思い出せ。
すでに述べましたが、いじめの原因は集団の中での権力で決定します。
要は、たとえ体育会用キャでも不動産業界が合わないのなら それは個人の特性によるものなので簡単に下の地位の人間になり得るのです。
先ほど話した「リーダー格だけ狙って殴り返せ」は、簡単に集団内の権力を誤認させる有効な方法でもあるのです。
ただし、それでもうまくいかないと思ったならば 環境を変えることも悪くない手です。
そのままいじめられ続け、前頭葉が萎縮し成人してもその影響を受け続ける一方、いじめ加害者はいじめから成功体験を得て将来的に成功しやすい… というリスクを考えたら、環境を変えてさっさと出直すのは悪くない手です。
子供をチー牛にしない方法③ : テストステロンの科学
チー牛は性的二型の発達に乏しいと指摘しましたが、このような特性はテストステロンという男性ホルモンの量を予感させるシグナルです。
よって、チー牛ほど身体を鍛え 食事を徹底し 戦いに挑み 小さな勝利を重ねていくしかないでしょう。
科学的に正しい、テストステロンをぶち上げる方法が判明しています。ぜひこれらを参考にしてみてください。
更に、幼少期のあなたを苦しめたチー牛特性(ADHD)は、年齢を重ねるごとに緩和し 多くが寛解するようです。
2000年の研究を紹介します。年齢はADHDの症状(多動性・衝動性・不注意)の寛解に優位に関連していることが示されました。
Age was significantly associated with decline in total ADHD symptoms and symptoms of hyperactivity, impulsivity, and inattention.
Age-dependent decline of symptoms of attention deficit hyperactivity disorder: impact of remission definition and symptom type
研究では128名の男児の症状を4年間で5回測定することで調べられました。
これもチー牛属性のあなたには朗報かもしれません。徐々にあなたが変化して 周りからも認められていく存在になることを願っています。
コメント
子供に競争に打ち勝つ精神を根付かせることが大事なら
過酷な受験競争を経験させるのは良いことなのでは?
もちろん子供に無理強いしてはいけませんが、それはスポーツなど競争が存在するあらゆる分野に言えることでしょう。
そして過干渉がよろしくないのは分かりますが、スシローの一件を見ても分かる通り、
ちょっとしたイタズラで巨額の賠償金トラブルに発生しかねないようなご時世なので全否定出来ないのが難しいですね。
今は小学生ですらスマホやSNSに当たり前に触れている時代ですし。
後もう一つチー牛の定義って何なんですかね?あのイラストのような見た目という以外に定義はあるんですか?
Murasakiです。コメントありがとうございます。
過去に某大手学習塾で公立中高一貫対策コースの理系を担当しておりました。その経験も踏まえてコメントさせていただきます。
>子供に競争に打ち勝つ精神を根付かせることが大事なら過酷な受験競争を経験させるのは良いことなのでは?
そこそこ勉強ができる子なら正しいですが、半分近い子が「お前受験なんて無理だろ」というレベルなので そのような子に向いてないフィールドで競争させるのは良くないと思います。
そうゆう子に限って、母親が受験に介入しまくってきて厄介なので 子供は弱者男性確定です。
>ちょっとしたイタズラで巨額の賠償金トラブルに発生しかねないようなご時世なので全否定出来ないのが難しいですね。
ご家庭でITリテラシーをどこまで高める教育ができるかが重要かなと思います。
>チー牛の定義って何なんですかね?
元々「就業支援を受けている人」の顔立ちを指したネットミームです。
近年はもっぱら「他人を叩くための侮蔑用語」になってしまっていますが。
>そこそこ勉強ができる子なら正しいですが、半分近い子が「お前受験なんて無理だろ」というレベルなので そのような子に向いてないフィールドで競争させるのは良くないと思います。
そうゆう子に限って、母親が受験に介入しまくってきて厄介なので 子供は弱者男性確定です。
そのような子もいるのは理解出来ますが、そうした子がスポーツなど他に素質として向いている分野が無いのなら、勉強させること自体は打倒だと思います。
スポーツなど他の分野で身を立てるにはプロ級の実力を身に着ける必要がありますが、学歴(勉強)は少しでも上がれば意味がありますので。
そして長野立てこもり犯のように親が息子に向いていないスポーツを強要するパターンもありますし、
厳しい受験勉強だけを悪かのように語り、厳しい環境で体を鍛え抜くことが正しいかのように語るのは違うと思いますね。要するに「子供に向いてないことをさせてはいけない」というだけの話なんですから。
>元々「就業支援を受けている人」の顔立ちを指したネットミームです。
近年はもっぱら「他人を叩くための侮蔑用語」になってしまっていますが。
つまり貴方は「チー牛」の定義について純粋に顔立ちだけを指しているということですか?
それなら親の育て方で容姿が変わるわけではないので、「こういう育て方をすると子供はチー牛になる」というのはありえない話だと思います。
その上(大変失礼ながら)ドランクドラゴン鈴木さんもあのイラストの少年に似た外見なのでチー牛と呼べそうですが、彼は人気お笑い芸人にまで登り詰めるほど超過酷な競争を勝ち抜いてきた男です。
なので、容姿にその人の生き様が現れるというわけでもないんですよね。
そして最後に体を鍛えればいじめられる確率が低くなるかというと怪しい所だと思いますね。
京アニ放火の青葉は柔道でいい線行ってましたが、定時制高校ではいじられキャラ(という名のいじめられキャラ)になっていましたし、
ボクシングの亀田も「お前ボクシングやってるらしいな?おもろい奴やなw」という感じで、ボクシングをしていたからこそヤンキー連中に絡まれて嫌な思いしたそうなので。
更に言えば芸能人や有名企業家(イーロン・マスクや堀江貴文など)も元いじめられっ子率が高い辺り、才能への嫉妬でイジメが起こるパターンが多いので、集団内でのヒエラルキーだけがイジメに影響があるわけでもないんですよね。
>そのような子もいるのは理解出来ますが、そうした子がスポーツなど他に素質として向いている分野が無いのなら、勉強させること自体は打倒だと思います。
勉強をすることを否定はしてないです(むしろ、全人類やってください)。
私が批判しているのは、向いていない子供を母親の善意で過酷な受験戦争に打ち込むことです。
同様に、向いていない子供を母親の行為で過酷なスポーツを強要することもNGです。
>親の育て方で容姿が変わるわけではないので、「こういう育て方をすると子供はチー牛になる」というのはありえない話だと思います。
論文では、親の過干渉でコルチゾールが高い状態を維持する 結果テストステロンの産生が乏しくなる 結果第二次性徴期に性的二型の特徴が発現しづらくなる と主張しています。
>最後に体を鍛えればいじめられる確率が低くなるかというと怪しい所だと思いますね。
はい。
私も効果は限定的だと思っています。
その一方で、明らかに体格が良かったりすれば結果は変わると思っていますので いじめ対策で子供が体を鍛えたりするのは悪くない言ってかなと思っています。
近々、いじめの科学 というテーマでブログを書こうと思います。
>私が批判しているのは、向いていない子供を母親の善意で過酷な受験戦争に打ち込むことです。
同様に、向いていない子供を母親の行為で過酷なスポーツを強要することもNGです。
それなら理解出来ます。ただこのブログのリンクが貼られたツイートが「子供に向いてないことやらせるのはやめとけ!」ではなく
「中学受験やめとけ!はマジ」という物だったので、勉強にフォーカスして言っているかのように見えました。
そもそも母親が息子に向いてない何かを強要することばかりを危惧していらっしゃるようですが、
世の中には長野立てこもり犯の父親のように星一徹を気取って息子に厳しい鍛錬もどきを課してしまう親父も存在するので、母親に限った話でもないでしょう。
しかしまあ、どうにもこの記事を読んでいると、以前に散々あちこちで終始ツッコミを受けていた「危機感持った方がいい」の人の主張を思い出してしまいますね。8割くらいは主張内容が同じなので。
>論文では、親の過干渉でコルチゾールが高い状態を維持する 結果テストステロンの産生が乏しくなる 結果第二次性徴期に性的二型の特徴が発現しづらくなる と主張しています。
https://anond.hatelabo.jp/20200614185834
その辺のことについてはこちらの記事で詳細に指摘している人がいるので、時間があったら読んで頂けたらと。
最後に話は少し脱線しますが、弱者男性(定義が人によって大幅に違うのであくまで自称している人に限定しています)として苦悩を語っている人達のツイートを遡っていくと、
「腹を割って打ち解けられる親友」「何かあったら一杯やりながら話聞いてくれる兄貴分の先輩」などの同性との深い人間関係すら築けてない人があまりにも多いことに驚愕と不憫さを感じてしまいます。
GTO(漫画の内容自体は色々嫌いでしたが)の作中に登場した勅使河原という不幸な家庭環境故に非モテコンプレックスを過剰に拗らせてしまったキャラに対する
「彼に本当に必要だったのは恋人ではなく、肩を組んで笑い合える親友だったのではないか」という作中での指摘はまさに現代に通ずる真理なのではないかと思います。
黒子のバスケ脅迫犯の「彼女いない歴=年齢です。つまり失って惜しい人間関係はありません」という主張が貼られ、「弱者男性はこうやって無敵の人に追いやられるんだ!」と言うツイートがバズっているのを見た時から気になっていたのですが、
何故弱者男性の少なくない割合の人は「失って惜しい人間関係」と言える掛け替えの無い親友を同性に築かないのでしょうか?
経済的な苦境はそれで解決出来ないとしても、孤独感からは救われるはずなのですが。
テストステロンですが、柴胡加竜骨牡蛎湯など柴胡〇〇と付く薬はストレスを緩和させるのかテストステロンが増える効果があります。抑肝散も薬が合えば癇癪を防ぐ効果があり、抑肝散にも柴胡が入ってるので、ストレス緩和の効果があります。これらの薬は健康保険でもらえるので、発達障害要素があるなら、子供の頃から飲んだほうがいいです。少しはましになります。
なお、チー牛にならずに済む薬がですが、使える薬があり、「井ノ上内科クリニック 漢方」とか「ハル薬局」とか「きくずり 更年期障害」で検索すると出てきます。
お、おう。