皆さんには、好きな人や気になっている人がいますでしょうか。
もしそのような人がいるなら
「どうやって距離を縮めようか」
「なんて声かけたらいいか」
「連絡先の交換はいつやろうか」
のような考えで頭の中がいっぱいなのではないでしょうか。
この最初のソワソワ感
甘酸っぱいよぁ
青春って感じだなぁ〜
仮にそのような人がいなかったとしても、いつかそのような人が現れたとき どうせならうまく関係が進展するといいですね。
しかし、経験があるかもしれませんが それような願望が全て叶ったら人生苦労しないですよね。でも、どのようにすれば上手くいくのかわからないから 失敗も経験してしまうのではないでしょうか。
確かに。
どうやってやればいいか分からん ってのが正直なところだよね
大丈夫だ。
これも解決してくれるのが科学だ。
ここからは、どのようにすれば恋愛をうまく進めることができるのか という観点から一つの解答を共有したいと思います。
「恋愛ゲームを進めるための基本戦略」の結論
まず最初に結論を言います。
恋愛ゲームを攻略するために最も重要なことは
「ゲームの基本ルールを理解すること」
です。
ちょっと待って。
お互いが好きになればクリア とかじゃないの？
恋愛ゲームはどうやらそんなに単純明快なルールで動いていないようだ。
そしてこれらを言語化しているものは少ないのではないだろうか。
ゲームを進める際に、皆さんは何から始めるでしょうか。
まずゲームのルールを理解し、その制限のもと効率的にゲームを攻略する方法を考えるはずです。
例えばサッカーならボールを持ってダッシュしないし、ポーカーなら何が強い役なのか決まっていますし、LIAR GAMEなら暴力を行使したらマイナス1億円です。
お互いに好きになることは、ゲームのクリア条件であり ゲームのルールではありません。(クリア条件はルールに含まれているかもですが)
よって我々は恋愛ゲームというゲームのルールを理解し、そのルールのもとで行動をしなければならないのです。
待って待って。
どこにもルールブックなんて存在しないし、誰も教えてくれないじゃん。
その通りだ。
だからこそ、人類の集合知たる学術研究がそのルールを明らかにしてくれるんだ。
好きな人ができたとき 何をすればいいか分からず とりあえずスキンケアを始めてみたり、あるいはちょっと冷たいフリをしてみたり といった経験はありませんでしょうか。
僕はあります。
スキンケアが効果的なのかよく分からんが、でも何をすればいいのか分からず ついやっちゃう感じです。
結論から言うと、スキンケアは意味はありますが 短期的には効果は限定的でしょう。このような一種の迷走に近い行動をとってしまうのは、ゲームのルールを理解していないからです。
Murasakiくんにもそんな時代があったんだね。
そりゃあそうだ。
よってここからは、科学が解き明かした恋愛ゲームの基本ルールと題して、どのようなルールが存在するのかを論文ベースで考えてみましょう。
「恋愛ゲームの基本ルール」の科学
恋愛ゲームというゲームを難しいものにしている理由の一つに
「ルールブックがそもそも存在しない」
というものがあります。
よって科学者たちは、様々な研究を通じて間接的な証拠を積み上げ 理性と論理の力でそのルールを徐々に明らかにしていったのです。
恋愛ゲームのルールブックとは即ち
「人類の叡智が積み上げた知性の百科事典」
なのです。
なんだか壮大な話になってきたなw
これから実際に論文を引用しながら紹介していくからな。
さてここからは、そんな百科事典の最初のページである「基本ルール編」を読み解いて行きましょう。
恋愛ゲームのルール① : 交際をするまでは圧倒的女性優位 その後は男性優位
ゲームのプレイヤーは、男性であるか女性であるかによってゲームの前半の難易度 後半の難易度が変わってきます。
そして、前半は女性が圧倒的に優位で 後半は男性が比較的優位です。
2011年の研究を紹介します。人間が好意的であると評価される場合は 一体どんなときでしょうか。どうやら、人種文化年代問わず 女性である時点で好意的に解釈されるようです。
In contemporary research, attitudes toward women appear to be more positive than those toward men in samples of US and Canadian university students, and the evaluative content of the female stereotype is more favorable than the evaluative content of the male stereotype.
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/14792779543000002?
このように、女性であるだけで一定以上好意的に解釈される現象を 学術的には
Women are Wonderful Effect(「女性は素晴らしい！」効果)
として知られています。
これは、中年男性であってもTwitter(もといX)でネカマをすると、突然チヤホヤされて その効果の強力さに驚くことで確認できるでしょう。
換言すれば、交際を始める前のアプローチ 関係構築段階において 圧倒的に女性が優位である可能性があるということです。
でも、好意的ってだけで 恋愛関係とはまた別なんじゃない？
いや。
どうやら恋愛関係においても「女性は素晴らしい！」効果が確認されている。
女性はよっぽどヤバい人でない限り、基本的には貰ってくれる素敵な男性が現れます。
1987年の研究を紹介します。女性は外見的魅力と夜のプロレスパートナーの数にはあまり関係が見られないようです。
Both the attractive and unattractive Ss had significantly more sexual partners than Ss rated average.
https://psycnet.apa.org/record/1988-23316-001
これは、Women are Wonderful Effect(「女性は素晴らしい！」効果)を補強する研究と言えます。外見的な要素を抜きにしても、女性であると言うだけで 夜のプロレスパートナー探しにはほとんど困らないようです。
これは短期的なパートナーの獲得だけでなく、長期的なパートナー獲得にも影響がありそうです。
2017年の論文を紹介します。
男性の場合、魅力的でないことは、パートナーを見つける可能性を低下させ、大卒のパートナーを見つける可能性を低下させ、より高い教育レベルのパートナーを見つける可能性を低下させることが示されました。
女性の場合、身体的魅力はこれらの事象が起こる可能性には影響しません。また、労働者階級出身者が高学歴のパートナーを見つけるためには、身体的魅力がより大きな影響を与えることもわかりました。
For men, the results show that being unattractive decreases the likelihood of finding a partner, of finding a partner with a university degree, and of finding a partner with a higher educational level. For women, physical attractiveness does not affect the likelihood of any of those events occurring.
https://www.ingentaconnect.com/content/cis/reis/2017/00000159/00000159/art00007;jsessionid=3a8g9572mgs7q.x-ic-live-03
更に、女性が男性を見る目には若干のバイアスがかかっており これが男性にとって厳しい戦いを強いられる要因にもなっています。
2009年のOKCupid社の報告を引用します。男性は女性の外見を均等に評価したのに対し、女性は男性の80%を平均以下の外見であると評価しました。
男性は選ばれる側として、様々なスキルやシグナルを身に付けねばならず 換言すれば
「男性は女性に選ばれるために、競争に勝利しなければならない」
ことを意味します。
ただし、この格差ですが 交際した後のゲームの進行は男性にとって優位なものになるかもしれません。
2023年 リクルートブライダル総研の「恋愛・結婚調査」の結果を紹介します。20代の恋人がいる男性は26.7%だったのに対し、女性は43.2%でした。
素朴に考えると20代の女性はおおむね20代男性と交際していると考えられますが、明らかに男女で割合が偏っています。
当然30代男性や10代の男性と交際している20代の女性もいるかとは思いますが、明らかに乖離しすぎています。
これは一部のモテるアルファオスが複数の女性と交際しており、女性側はその男性を恋人だと勘違いしているからに他なりません。
一度夜のプロレスをすると、男性より女性の方が立場が下になるんだ。
流石にコレは残酷すぎないか。。、
基本的に男性は恋愛ゲームで不利なプレイヤーですが、一部の超モテ男が富を独占し複数の女性とロマンティックな関係を構築しているのです。
そして女性はそれに気付きません。
このような状態は
「モテスパイラル」
として知られており、男性にとっては(通常は非モテなので)このような状況を理解した上でゲームをプレイするべきでしょう。
そして女性にとっては極めて残酷な真実です(僕が悪い とかじゃなくて、実際にデータとして示されてます)。これは自分が幸せな結末を迎えるために、必ず理解して男性をチェックしなければなりません。
恋愛工学では、夜のプロレスの前後で男女のプレイヤーで有利さが逆転すると説いています。これを
“Pre-Sex Period, Post-Sex Period”理論
と言います。
恋愛ゲームのルール② : 男女で異なる加点要素 / 減点要素
ゲームで勝利するには、何かで加点して競争相手よりも優位に立たなければなりません。そしてそのために戦略を練ってプレイヤーはゲームを進めていきます。
そして、あろうことか 男性と女性ではゲームの加点要素が異なることが科学的に判明しています。
えぇ！！？
「美男美女だったら勝利！解散！！」
じゃないの？？？
全くそんなことはない。
これも理解しないと、ゲームの攻略は難しいと思う。
男女のプレイヤーで異なるルールでゲームが進行していることを端的に示す研究があります。
2014年の研究を紹介します。男性は、女性の優しさ 献身さに魅力を感じますが 女性は実際そうではないようです。むしろ、若干優しさに対して嫌悪感すら抱いてしまうようです。
Responsiveness may signal to a potential partner that one is concerned with her or his welfare, and may therefore increase sexual interest in this person. Research shows, however, that this proposition holds true for men, but not for women.
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0146167214543879
これは残酷なように聞こえますが、男女ともに一度ルールを理解すればゲームの進行上有利に働くでしょう。
そして、そのルールに則り自分が有利な男性/女性であることをサインとして異性に発信しなければなりません。このように、ある特性を発信し 自分がその特性を有していることを(間接的にも)証明することを「シグナリング」と言います。
よって、男性専用のモテシグナル 女性専用のモテシグナルが別個に存在することになるんだ。
科学ってすげぇな。
よって、残酷な現実も目の前に横たわっているかもしれませんが 男性女性それぞれがプレイヤーとしてモテシグナルを理解し行動することが極めて重要です。
以下、男性向けの加点要素を整理したサイエンス。
同様に減点要素も男女で異なることがわかっています。
恋愛ゲームのルール③ : 男女で異なるクリア条件
ゲームをプレイすると、通常何かしらのクリア条件が存在します。
バスケットボールなら多く点数を稼げば勝利ですし、100m走ならより早くゴールした選手の勝ちです。
しかし恋愛の場合は、男性と女性でクリア条件が全く異なることが進化心理学や生物学から明らかになっています。
これも恋愛ゲームを難しいものにする大きな要因になっている。
まじか。。、
ここで前提としてほしいのが
「恋愛ゲームとは、男女がどちらか一方を搾取するようなゼロサムゲームではなく、男女ともに幸せになるプラスサムゲームである」
ということです。
ゼロサムゲームとは、勝者と敗者が明確に存在し プレイヤーの合計点が0点になるようなゲームです。例えば男性+2点 女性-2点 みたいなやつです。
逆にプラスサムゲームとは、勝者敗者は存在するかもしれませんが プレイヤーの合計点が0以上になるようなゲームです。例えば男性+2点 女性+3点。
互いに幸せな結末を迎えるために、どちらかがどちらかを搾取するような 残酷な関係を築いてはいけません。
いや。
互いに惹かれあって交際して結婚 って、どう考えてもプラスサムじゃね？
いや。
現代の結婚制度と生物学的な生殖戦略は真っ向から対立しているので、必ずしもそうとは限らない。
よってここからは男性と女性の生殖戦略を科学的に解説し、その歪さを指摘します。そしてその前提を理解して上でどのような状態がクリア条件なのか考えていきます。
恋愛ゲームにおける男性のクリア条件
男性の生殖活動は最短10分で完了します。そして自分の遺伝子をより多く拡散する戦略上 複数の女性と関係を持つことが最も効率的な戦略となります。
よって男性の恋愛ゲームクリア条件は、少しでも多くの異性と関係を持ち 自分の遺伝子を拡散することとなります。
このような前提を踏まえると、男性にとって結婚制度とは
「自分の本能に刻まれた最適な戦略を法律で規制する束縛条件」
となります。
恋愛ゲームにおける女性のクリア条件
女性は自分の子供は自分のお腹から生まれてくる性質上、自分の子供は確実に自分の遺伝子を持っていりうことになります。
よって、自分の遺伝子と掛け合わせて最高の子供を作るために 少しでも良質な男性の遺伝子をもらわねばなりません。
更に、人間の赤子は頭のサイズが他の動物と比して大きく 生まれてすぐには歩けない関係上
「男性の献身的なサポートを受けつつ 子供を育てる環境を整備」
しなければなりません。
また、一度孕ってしまえば 十月十日動けませんので その間自分を守ってくれて出産後の子育てをサポートしてくれる男性を探さねばなりません。
よって女性の恋愛ゲームにおけるクリア条件とは
「優秀な遺伝子を持っており、かつ自分や子供を守ってくれる男性と子供を作り 長期的な家庭を運営すること」
となります。
待って。
女性の方がクリア条件厳しくない？
その通りだ。
ゲームの前半男性が不利なのは
「最終的に女性が不利だから 確実に安心な男性を見つけなければならず、そのために男性に高い要求をしている」
ためだ。
このような前提を踏まえると、女性にとっての結婚制度は
「自分に有利な条件を法律で規制してくれるもの」
となります。
ちなみに、優秀な遺伝子かつちゃんと家庭を守ってくれる男性はめっちゃ稀有なので、場合によっては
目の前にいる優秀な男性の子種をさっさと貰ってしまう
も戦略上有効です。
女性の浮気のサイエンスは、いずれどこかで記事にします。
男女ともに最高の結末を迎えるために
これまで恋愛ゲームにおいて
「男女ともにゲームの段階によって有利不利があること」
「男女それぞれが異なる加点要素を持っていること」
「そもそも男女でクリア条件が異なること」
を述べました。
男女によってクリア条件が異なるとはすなわち、男女ともに幸せな結末を迎える関係の構築にはとてつもない労力が男女それぞれに要求されることになります。
そう考えると、恋愛ってかなり難しいんじゃない？
難しいことは間違いないが、それを追求すれば きっと最高の関係を築けるはずだ。
この記事は恋愛ゲームの基本ルールを理解することに焦点を当てて解説してきました。男女ともに最高の結末を迎えるための科学的戦略は別の記事に譲るとして、ここでは
「実際にどんなルールで進行しているのか その理解を促進する」
目的を果たせたのではないかと思います。
ここまででルールの性差を理解できたと思うので、最悪の結末をあらかじめ知っておくことも戦略上有効でしょう。
男性向け 恋愛ゲームバッドエンド
男性のバッドエンドは主に
①第一関門の突破が難しい
②繁殖戦略と結婚制度の相性が悪い
で構成されるでしょう。
詳しくは以下。
女性向け 恋愛ゲームバッドエンド
女性のバッドエンドは
「女性のみに適用可能な、あるバイアスが女性の認知を狂わせる」
ことで発生するでしょう。
詳しくは以下。
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