人間の性格特性にはさまざまなものが存在します。優しい人もいれば飽き性な人、外交性の高い人 そうでない人など様々です。
一応学術的に頻繁に使用される人間の性格特性としてBig5(ビッグファイブ)と呼ばれる指標が提案されています。人間の性格は、たったの5つに分類できると言うものです。
人間の性格をたったの5つの指標で表現できるのは、驚くべき事実だよな。
これ考えた人、頭いいなぁ。
これらの性格はランダムではなく、例えば可処分所得や性別、運動習慣 年齢などから 大まかにグループ分けできることが知られています。
その中でも
「チビは一般に気性が荒い人が多い」
と言う説を提唱する人がいます。
元プロゲーマーで現在は配信を中心にマルチで活躍されているたぬかなさんです。
彼女は言います。
「低身長は舐められるから、気性が荒くなる」
今回は、たぬかなの主張するように チビは気性が荒くなる傾向にあるのかを学術論文を用いて検証し 彼女の主張が正しいのかどうか 考えていきます。
たぬかなにイジられてしまったホビットたち
ここでは実際にたぬかなにイジられてしまった低身長ホビットたちを紹介します。そしてイジられてしまった当事者が本当に気性が荒かったことも解説していきます。
ビッグモーター旧副社長 兼重宏一氏
画像の右半分 右から3人目が 兼重氏です。彼は写真を見れば分かる通りですが、明らかに低身長です。
彼は、公では厳しい態度を従業員に取ることはありませんでしたが、LINEなどの他の人には見れないクローズな場で暴力性を発揮していたようです。
迷惑系YouTuber ジョニー ソマリ氏
日本国内を旅しつつ、日本人に侮辱的な発言をしたり、迷惑行為をしたり、違法行為を繰り返している自称アメリカ人のジョニーソマリさんも たぬかなの餌食になったホビットです。
「また原爆を落としてやるぞ！」
「広島！ 長崎！ また原爆を落としてやるぞ！」
などと叫んだり、公共の場やショップなどで不適切な音声を大音量で流したりしていました。
そんな気性の荒いソマリですが、彼の身長は 日本人の中肉中背警察官と比較しても小さいことから 中々のホビットだと推察されます。
これらは一例に過ぎませんが、たぬかな氏は
「人種を超えて自分の主張が証明されていくな」
とご満悦のご様子です。
でもこれって、やばい人のごく一部でしょ？
一般に「ホビットは攻撃性が高い」って言えるの？
よし。
ここからは「チビ気性が荒い説」の歴史を紹介し、そこから学術論文も紹介しよう。
「ホビット 気性荒い説」 = ナポレオン・コンプレックス
どうやら、チビの気性が荒いんじゃねーか説は「ナポレオン・コンプレックス」として研究されているようです。
ナポレオン・コンプレックスは、フランスの初代皇帝であるナポレオンにちなんで名付けられました。一般的な言い伝えでは、ナポレオンは身長の低さを補うために、権力、戦争、征服を求めたとされています。
ナポレオンってホビットだったの？笑
どうやら、西洋人の中では比較的背の小さい方だったらしい。
ナポレオン・コンプレックスは、正しくたぬかなの主張していることそのものです。
では、科学的にはどのように「ナポレオン・コンプレックス」が捉えられているのでしょうか。
結論
研究によると、背の低い男性は背の高い男性の前では攻撃性を低めるが 間接的な方法で攻撃を行う可能性があります。ただし、本当にナポレオン・コンプレックスが存在するのか、まだ完全に決着がついていない ということになります。
うわあああ。ビッグモーターの社長そのままじゃん。
まだ完全に決着がついているわけではないと言っただろう。
ここからは、この結論に至った研究結果をいくつか紹介しようと思う。
背の低い男性は 背の高い男性に対して直接的な攻撃性を示さない
背の低い男性は、そうでない男性に対して直接的な暴力性を示さない傾向にあることが科学的に判明しています。
2012年の研究を紹介します。背の低いサッカー選手はそうでないサッカー選手と比較して笑顔が多いことがわかりました。
A third study of football player photographs revealed that the faces of less dominant (smaller) football players were more similar to the canonical smile display than the faces of their physically larger counterparts
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/147470491201000301
笑顔は、表出者の感情状態（例えば、私は幸せだと感じている）を宣伝するだけでなく、表出者の気質的特徴（例えば、私は友好的で非脅迫的である）についての推論を観察者の心に生じさせるような情報を伝えるようです。
In other words, smiling seems to convey information that is not limited to advertising the emotional state of the displayer (e.g., I feel happy) but also appear to generate inferences—in the mind of observers—about the dispositional characteristics of the displayer (e.g., I am friendly and non-threatening), a view that is consistent with facial expression research in the behavioral ecology tradition (Fridlund, 1994; Parkinson, 2003).
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/147470491201000301
笑顔は明らかに友好性 非強迫性を示す融和のシグナルですが、同時に弱者のシグナルでもあります。このような表情からも、低身長のホビットは集団の中では温厚に振る舞うことがわかります。
更に低身長男性は、高身長男性に対して直接的かつ身体的な攻撃を行わないようです。
2018年の研究を紹介します。低身長男性は高身長男性に対して、直接的で身体的な攻撃を示すことが少なかったことが示されました。
Furthermore, shorter men are not more likely to show direct, physical aggression toward a taller opponent (Study 2).
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0956797618772822
実験では、2人のプレイヤーで対戦することを告げ それぞれ目の前で身長の測定をし結果を読み上げてもらいます。その後別室に移動し、2人のプレイヤーが再開することはないと約束します。
その状況でドリンクの試飲と称して 対戦相手に飲んでもらうドリンクを作成してもらいます。そのドリンクの中に好きな量のハバネロソースを入れてもらい、対戦相手に対する直接的な攻撃性を測定しました。
結果として、低身長男性が高身長男性に対して作るドリンクに入るハバネロソースは少ないことが示されました。
以上の研究から、低身長男性は高身長男性に対して融和な態度を取り直接的な攻撃を仕掛けないことがわかるだろう。
まぁ、戦うことになったら勝てないからねぇ。
背の低い男性は 背の高い男性に対して資源を奪い取ろうとするような攻撃性を示す
低身長男性は、身の安全が保証されている状況でも直接的な攻撃はしないようですが 資源を奪い取ろうとするような攻撃は仕掛けるようです。
2018年の研究を紹介します。低身長男性は高身長男性に対してより多くの資源を奪い取ろうとする傾向がありました。
Our pilot study shows that men (but not women) keep more resources for themselves when they feel small. When paired with a taller male opponent (Study 1), shorter men keep more resources to themselves in a game in which they have all the power (dictator game) versus a game in which the opponent also has some power (ultimatum game).
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0956797618772822
研究のデザインでは、2名のプレイヤーに対して対戦してもらうように告げ2つのゲームを行なってもらいます。
一つ目は、プレイヤーに全ての権限がある(と嘘)を伝えた状態で行うゲーム(独裁者ゲーム)とプレイヤーに一部の権限があるゲーム(最後通牒ゲーム)をプレイして貰い、相手の資源をどの程度奪おうとするか調べました。
その後研究者はプレイヤーに対して
「対戦相手と再開することは二度とないことを保証する」
と告げた上でゲームを行なって貰いました。
二度と会わないとわかっているから、攻撃してやるぜ〜
ってことか。
自分の身の安全が保証されていると、ホビットは元気イッパイになるようだ。
これまで低身長であることのネガティブな側面を書きましたが、それらを補おうとするような行動を取ることも示されています。
低身長男性は高身長男性と比して女性に好印象を持ってもらうような行動を積極的に取る
低身長男性はフィジカルで高身長男性に勝てない分、別の方法で補おうとするようです。
これらはときに暴力性として出現しますが、逆に寛大な心を示したりリーダーシップを取ろうとして他の男性に勝利しようとする傾向も確認されています。
攻撃性は異性選択における「男性のモテシグナル」として作用することが科学的に判明しており、このような行動をホビットたちが取るのは 高身長男性に勝利するための戦略であることは理解するべきでしょう。
ホビットだって、いいじゃない
これまで、たぬかなの主張する
「ホビット攻撃的説」
を真面目に検証してみました。
彼らが攻撃的な性質を示すのは、彼らの生存戦略なのです。
当然、直接的な暴力性を示すことはよくないのだが 別の方法で高身長男性に勝利しようとする姿は男として素晴らしいと思うな。
おれもホビットだから、少し頑張ってみようかな。
さて、量子砲(Quantum Gun)では 実際問題低身長男性が勝利するためにはどうすればよいかを、学術論文用いて体系的に解説しています。
迷えるホビットは、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
この記事がそんなホビットたちの「自分を大きく変えるきっかけ」になったら幸いです。
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