新年や人生の節目で決意を新たにし、新しいことに取り組みたいと考えたものの結局挫折してしまった… みたいな経験、きっと誰でもあるのではないでしょうか。

あれ、こいつ「この時間は勉強するぞ」って言ってなかったっけ

やべー。Netflixのおすすめ作品は大体見終わっちゃったかなぁ。
確かに今まで僕もさまざまなことに挑戦してきました。しかしその度に失敗… なんて経験をしたことがあります。
その度に後悔して次こそは と考えるのですが、それでも結局うまくいかないんですよね。
自分にとって必要な習慣をどうやったら身につけるために必要なのは根性だと思って何度も挑戦しましたが、根性でどうにかなるならとっくに習慣化されていますよね笑

実は色々調べてみたのですが、どうやら習慣は科学的に裏打ちされた手法で量産できるようです。
そこで今回は、手に入れたい習慣を獲得するための科学 と題しまして、望ましい習慣を量産する科学的に正しい戦略を皆様に紹介したいと思います。
そもそも習慣ってどれくらい重要なの?

皆さんの1日の行動はどのようなものでしょうか。朝起きて、顔を洗って、歯を磨いて、テレビつけて、、。
これらの行動は、意識的に行なっている行動でしょうか。
実は、人間の1日の行動のうち1/3 ~ 1/2は習慣的な行動によって支配されていることがわかっています。
人生のあらゆる出来事は、自分がどのように行動したかで決まります。毎日勉強していれば、新しい環境でも力を発揮できるかもしれないですし 毎日外出していれば、思いがけない出会いが訪れるかもしれません。
よって、1日の1/3 ~ 1/2を支配する習慣的な行動を変えるとは そのままあなたの人生を変えることになるのです。

人生変わるって、大きく出たな と思ったけど、確かにこれなら納得かも。

それは良かった。
ここからは、狙った習慣を確実に手に入れるための科学的な戦略を紹介していこうと思う。
狙った習慣を確実に手に入れるための 科学的アプローチ

習慣化は自分の意思力次第だと考えているかもしれませんが、それは大きな誤りです。
例えば毎日起きたら勝手に洗面台に行って顔を洗って歯を磨きますよね。このように、習慣とは意思力を消費せず、全自動で実行される営みです。
換言すれば、習慣化とは
「いかにしてこの行動が重要であるかを身体に教え込み、自動で実行できるようにすること」
を指します。

身体に教えこむ って、なんか体育会系な響きだな。。、
絶対僕にはできないじゃん

そんなことはない。
どのようにして負担を少なく身体に教え込むか、その方法が科学的に明らかになっているんだ。
ここからは、少ない負荷で行動を徐々に習慣化するにはどうすれば良いのか 考えていきたいと思います。
習慣化するための科学的アプローチ① : 習慣化の「マジックナンバー4」

例えば勉強を習慣にしたいと考えているとします。このとき、どれくらいの頻度で勉強をすればそれが習慣になるのでしょうか。

今日だけ勉強!じゃなくて、全自動で勉強を実行する身体にするためには どれくらいの頻度で勉強をするべきか ということだ。

もう響きが体育会系っす。。、
科学的には概ね結論が出ており、大事なのは数字の4だそうです。
2015年ビクトリア大学の研究を紹介します。ジムに通う行動が習慣化されるには、週に4日ジムに通う行動を6週間続ける必要があることが示されました。
It was found that exercising for at least four bouts per week for 6 weeks was the minimum requirement to establish an exercise habit.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25851609/
実験の参加者はジムの新規会員に限り、12週間のアンケート調査を行って調査されました。
最終的に12週間経っても行動が継続されていたグループとそうでないグループの違いは「週に4回、6週間」という行動をとったかどうかで決まることが判明しています。
もしあなたがジム通いを習慣化したければ、週に4回以上ジムに行く必要があります。
他の習慣も同じです。勉強、副業、ダイエット等々 まずは週に4回実践できるように努力することが最初のステップになるでしょう。

週に4回ジムって、、、
おれには無理だ。。、 終わった

諦めるの早すぎるだろ。
ここで他のテクニックを取り入れることが必要だ。
習慣化するための科学的アプローチ② : 困難は分割せよ
前の章でお話ししたように、習慣化には「週に4回の実践」が重要です。
「週に4回以上ジムに行って筋トレするぜ!!」
「週に4回、各1時間 英語の勉強するぜ」
「副業を週4やるぜ!!!!」

うおおおぉぉぉぉ
おれはやるぞ!!!!

待て待て。
気合い入れてもどうせできないだろ。だから今のお前があるんだろ?
しかし、大きな目標を前にすると「こんなに難しいことを継続できるだろうか?」と不安になってしまうこともあるでしょう。
大きな目標を立てるのはいいことかもしれませんが 現実性を帯びていない目標を掲げたところで、どうせやり切ることができないのは あなた自身もよく知っていることでしょう。
そんなときに有効なのが「困難を分割する」という考え方です。

困難を分割????

そうだ。少し例を見てみようか。
例えば、「毎日1時間の運動を習慣にする」という目標を立てたとします。しかし、これをいきなり実行するのはハードルが高いと感じるかもしれません。
そこで、この目標を分割して、「まずは週に4回、20分だけ体を動かす」という形にします。これなら取り組みやすく、達成感を得ながら継続しやすくなります。
ポイントは週に4回実践できる程度まで、困難を分割する必要があるということです。
もし、週に4回20分が難しかったら、週に4回10分、週に4回5分、週に4回 自宅でスクワット10回… のように小さくしていけば良いのです。

大事なのは週に4回以上実践すること。
これが全てだ。

なるほど。。、
学習においても同じです。「1年で英語を話せるようになる」という目標を立てても、漠然としすぎていて何から始めればいいかわかりません。
そこで、「週に4回10分、英単語を覚える」「週に4回、英語のリスニングをする」など、小さな実践に分割すれば、無理なく進められます。
このように、目標を小さく分けて「週に4回実践できる形」にすることで、無理なく継続でき、最終的に大きな成果につながります。
どんなに大きな目標も、小さな積み重ねの先にあるものです。まずは、自分が確実にできるレベルまで分割し、実践を重ねていきましょう。
習慣化するための科学的アプローチ③ : if then プランニング

人間の意思決定の回数は、実は有限です。なぜなら、意思決定するたびに脳のリソースを消費し 人間は疲れてしまうからです。
そのため、余程重要な場面でない限り 意思決定せず習慣的な行動をとってしまうように人間の脳はプログラムされています。
よって、何かを習慣化したいときは 態々意思決定を行わなくても良いように 条件を満たしたら自動でその行動をとるようにあらかじめ決めておきます。
そのために使える強力な手法がif thenプランニングと呼ばれるものです。
この手法は
「もしxxxしたら、そのときxxxする」
ということを紙に書き出して実行するだけです。

例えばどんな感じ?

「if 朝起きたら then 歯を磨いた後に10分間マインドフル瞑想」
「if 仕事が終わったら then そのまますぐに最寄りのジムへ向かう」
とかだな
事前に発動条件と行動を取り決めているので、意思決定力を消費することがなくなり 望ましい行動に移行しやすくなるのが、if thenプランニングのポイントです。
もしあなたが新しい習慣を取り入れたいと考えているなら、まずは一つif thenを使った文を作ってみると容易でしょう。
それを用いて、条件を満たすときに 脳死で習慣にしたい行動を繰り返せば良いのです。
習慣化するための科学的アプローチ③ : 内的動機付け

あなたは、今1万円貰える場合と 4週間後に1万1千円貰えるなら どちらを選びますか? 実験では80%の人が前者の今貰える1万円を選択します
この「長期的なメリットより、目の前のメリットを選択してしまう」人間の不合理な選択傾向を、行動経済学の世界では「現在バイアス」と呼びます。
Three experiments are described which examine the effect of uncertainty on the immediacy effect and the effect of time delay on the certainty effect.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0749597885710801
このように、長期的にメリットが大きい何かしらの習慣(筋トレ 瞑想 勉強 副業)より、目先の快楽を優先してしまうのが人間の性なのです。

確かに。
どう考えてもゴロゴロYouTubeとかに逃げちゃうよなぁ。

じゃあ、現在バイアスに打ち勝つために 例えば金銭的インセンティブを与えたら 人間はどうなるだろうか。
では、何かしらのインセンティブを渡して 人は現在バイアスに打ち勝つことができるのでしょうか。
実験では、ジムに通い始めた被験者を対象に ジムに通うたびにお金を渡し、ある時点でそのインセンティブを無くして様子を観察しました。
結果、インセンティブが手に入るときはジムに通う人が多かったのですが、一度金銭的インセンティブを失うと、ジムに通う人が減ってしまったのです。
Being in a monetary incentive program to attend a fitness center may be initially associated with a greater fitness center utilization but may not be associated with a reduced risk of membership termination.
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0890117116689321
以上から、外的動機付け(何かしらの報酬に釣られて習慣を形成)よりも、現在バイアスによる怠けの方が強い可能性が示唆されています。

じゃあどうすれば良いんだよ〜

ポイントは自分が将来なりたい姿をイメージして本当にその習慣を身につけたい理由を探すことだ。
以上から、外的動機付けに頼らず 内的動機付け(自分が本当にやりたい理由を基に行動する)を基本とすることが重要であることになります。
習慣化するための科学的アプローチ④ : 内的動機付け ver2

「多くの人にとって『利得の喜び』と『損失の悲しみ』を比べると、後者のほうが大きく感じる」という人間の特徴のことを「損失回避バイアス」と言います。
場合によっては人間は利得の喜びの大きさより 損失の悲しみの大きさの方が2倍大きいと評価します。
The value function is normally concave for gains, commonly convex for losses, and is generally steeper for losses than for gains.
https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwiH0JKF6Nv8AhUR82EKHdYWBekQFnoECBAQAQ&url=https%3A%2F%2Fwww.uzh.ch%2Fcmsssl%2Fsuz%2Fdam%2Fjcr%3A00000000-64a0-5b1c-0000-00003b7ec704%2F10.05-kahneman-tversky-79.pdf&usg=AOvVaw1OiUoVngi5OzZL72fPl25b
※Murasaki補足 : 上記の引用部分では 価値関数のグラフの形状について述べている。損失の方が、グラフの傾きが急(=人間は損失の方が大きいと評価する)だと主張している。
よって、今すぐ その習慣を身につけられなかった場合に失うものを紙に書き出してください。失う恐怖が、あなたの行動に変化をもたらすかも知れません。

失う恐怖は大きいからな。
失いたくない一心で、人間は努力できるのかもな。
その結果、未来に同じ過ちをして同じものを失う恐怖を覚え、思いつく限りの勝利条件を満たすために必要な習慣を実践し始めました。
幸いまだあの痛みが残っているので、習慣は継続中です。

Murasakiくん、意外と繊細なんだな。

繊細かどうかはわからないが、可愛い自分が将来同じものを失う恐怖に耐えられなかったんだ。
習慣化までにかかる時間は?

何かの習慣が身につくまでにかかる時間は2 ~ 10ヶ月であることがわかっています。イギリスのロンドン大学の研究では、簡単な習慣なら66日 運動習慣なら84日 激しい運動習慣なら254日かかると主張しています。
まずは簡単な習慣から始め、徐々に面倒臭い習慣に挑戦していくことが無難なのかも知れません。
習慣化すると感情が消えることもわかっています。
そのため、完全自動で何かいい習慣に取り組むことができる状態になったら勝利だと思います。

確かに。全自動で体がジムに行くようになったら凄いかもね

勿論、ジムに行ってダラダラするだけはダメだぞ。
如何でしたか?

この記事を読んでくれた人が望ましい習慣を手にいれ、素晴らしい人生を送れますように!
以上、Murasakiでした〜
さてさて。じゃあ、どんな習慣を身につければ人生が好転するのか気になりますよね。
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次の記事もお楽しみに!
コメント
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