「尊師〜尊師〜 尊師×3」
「あーさーはーらーしょーこー」
!!!!!!!!!
…これは、ヴァジラヤーナに入れという シヴァ神からの示唆だな(適当)
かつて日本を震撼させた、カルト宗教「オウム真理教」。
麻原彰晃を頂点とし、彼の教えに忠実に従う信者を大量に獲得した一方、国家転覆を狙って様々な犯罪を犯してきました。
オウム真理教関連の事件についてこの記事で語るには多すぎること、事件の全貌を私が理解していないことから、オウム真理教が一体どんな組織だったのかはここでは話しません。
興味がある方は YouTube等に映像が残っているので観てみると良いでしょう。
彼らはヒトラーでさえも使用を躊躇した毒物「サリン」の単独開発に成功し、松本サリン事件 地下鉄サリン事件など、多くのインパクトを残し 世界を震撼させました。
オウム真理教に合流したメンバーの中には、サリンを単独で製造できるほど高学歴で優秀な信者が複数いたんだ。
よく集めたな…
これだけ優秀な人材を集めたことは素直にすごいと思う反面、大量の一般信者はどのようにして集めたのでしょうか。
その全ての方法を知っているわけではありませんが、その一例として彼らは支持を拡大するためにある手法を用います。
それは1990年 第39回衆議院選挙の時でした。彼らは真理党という麻原彰晃をトップとした政党を立ち上げ、国政選挙に出馬したのでした。
街中で歌と踊りを披露し支持を拡大しようとした彼らの選挙活動は、今なお政治史に残る 重要なワンシーンに思います。
どこか耳に残るメロディ。そして尊師の圧倒的存在感。
結局彼らは支持を拡大することができず、真理党から出馬した候補は麻原彰晃含め大敗。
ですが、私たちの記憶には あの尊師マーチと共に残り続け 今もなお尊師は生きているのです(適当)。
Murasakiくん大丈夫????笑
冗談はさておき、この耳に残る音楽と踊りは驚嘆に値する。
今回この記事を書くに至ったのは、令和の時代になり 再び歌と踊りで支持を拡大する政党が出現したためです。
すなわちれいわ新撰組です。
私はれいわ新撰組の政策を全く支持していない一方、党首の山本太郎氏は 俳優業から転身して イチ政治家としてここまで支持を拡大したことは驚嘆に値すると思います。
実際彼らは2024年に行われた第50回 衆議院選挙にて、3議席から9議席に躍進したのです。
れいわ新撰組の支持者に怒られる前に、ここでは政策論議をする気は全くないと断っておく。
単に歌と踊りを利用して支持を大きく拡大した側面を否定できず、その背後に隠されたサイエンスを紹介しよう という趣旨でこの記事を執筆した。
今なお耳に残り続ける尊師マーチ、そして実際に支持拡大の手法として「歌と踊り」を採用しているれいわ新撰組。
その背後にどんなサイエンスが隠れているのか、考えます。
ダンスがもたらす効用
まず考えたいのは、ダンスが持つそれ自体の効用です。
人類はあらゆる文化で「踊り」を共有しており、例えば日本では夏になると全国各地で「盆踊りが開催されます。
日本に限らず、K POPやレゲエなど 様々な文化で独自の踊りを共通的に持っています。
これは「人類にとって踊りとは普遍的な行動パターンであり、進化によって獲得した適応の結果の一例なのでは?」と指摘されています。
どうゆうこと?
「踊り」が生存で不利な行動パターンだったら残らないだろ。
ダンスが生存戦略上不利に働く要素であれば、ダンスを楽しいと感じる心理は進化の過程で淘汰されることでしょう。
確かに、サバンナでみんな一緒に踊り狂っていたのなら すぐにサーベルタイガーに見つかって人生が終了してしまいそうです。
にも関わらず、全ての人類が遍く「踊り」の文化を発展させて今日まで到達したことには、何か進化上有利に働く重要な効用があったはずです。
ダンスで快楽物質ドバドバ♡♡♡
実際研究では、踊りによって齎される効用について いくつもの学術的な結果が報告されています。
2015年の研究を紹介します。みんなでダンスをすると、エンドルフィンが放出され ランナーズハイ状態になることがわかりました。
Results demonstrate that both synchronization and exertion have positive independent effects on self-reported social bonding and pain threshold. Accordingly, findings previously restricted to non-exertive activities can generalize to everyday social activities, such as dance.
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsbl.2015.0767
研究ではブラジルのマラジョー島にある地元の学校で、高校生の参加者264名(女子164名、平均年齢14.82±2.289 s.d.)を被験者としました。
彼らに3人1組のグループ(男女混合60グループ)を4つの運動条件
- 高労作同期
参加者全員が同じ音楽に合わせて、立って行う全身を使ったダンスを同じ動作で同時に行う - 高労作部分同期
参加者が同じ音楽に合わせて、立って行う全身を使ったダンスを異なる動作で同時に行う - 低労作同期
参加者全員が同じ音楽に合わせて、座って行う手だけ使ったダンスを同じ動作で同時に行う - 低労作部分同期
参加者が同じ音楽に合わせて、座って行う手だけ使ったダンスを異なる動作で同時に行う
に割り振って調べられました。
結果として、同時かつ同期した動作を行った場合は 痛覚の感じる閾値が下がりました。特に立って行ったダンスで顕著でした。これはエンドルフィンが上昇したことを表します。
さらに、同期性(一緒にダンス)は、集団内向社会性評価(一緒に踊ったメンバー内の評価)の有意な上昇と関連し、内集団の向社会性に対する労力の有意な主効果があり、同期性と労力の間の交互作用効果はありませんでした。
同期性と労作は、外集団(踊りに参加していないクラスメイト)の向社会性には影響しませんでしたが(図2b )、外集団の向社会性指数は、全体的に活動後に有意に高いことがわかりました。
つまりどうゆうこと?
「みんなで同じ踊りを踊るとエンドルフィンがドバドバ出てランナーズハイに近い状態になり、一緒に踊った仲間との絆が深まる」ということだ。
一定以上の強度のダンスは 自尊心を高めるテストステロン値を上げ、同時にストレスホルモンであるコルチゾール値を下げます。
…ここまでは多くのスポーツやエクササイズと同じです。
ポイントは、同時にエンドルフィンというホルモンもドバドバ出ているという点です。
研究では痛覚の閾値が下がったことを確認しましたが、実際にエンドルフィンはモルヒネの6.5倍もの鎮痛作用があるとされ それらも手に入るのは一度に3度美味しい と言わざるを得ません。
それだけ旨味のあるダンスですから、さぞかし他の生物種でも楽しんでいるだろう… と考えたいところですが、実際 ダンスを楽しめる生物種はごくわずかのようです。
ダンスを獲得した生物種は「声帯模倣」を行うわずかな種(ヒト・オウム・コウモリ)のみ
ヒトの脳の原始的な領域に 踊りを模倣する神経回路が存在する
対立する学術仮説
これまで、ダンスはヒトと他のごくわずかな生物種のみで見られる行動であり、ヒトが仲間と踊るとエンドルフィンがドバドバ出て気持ちいいと説明してきました。
踊りが人類にとってこれだけ普遍なものになった背景には何があるのでしょうか。
なにか理由があるのかな。
おそらくな。
ここからは、ダンスがいかにして 人間社会に有益なのかを示す研究の成果を少し紹介しよう。
ダンスが人間から淘汰されない理由は、何か大きな理由(メリット)があるはずです。
ここからは、ダンスによってどのようなメリットが人間社会に存在するのか考えていきたいと思います。
健全な研究の場
私は学生時代の専門は全く別でした。
中退しちゃいましたが、大学院まで行き アカデミックな場でどのようなことが行われているか?については多少の理解があります。
研究者は日々、仮説を支持する証拠を提示し証明を行い、それに対して別の研究者が反論するために別の研究成果を持ちいて議論を行います。
Murasakiくんの専門って何だったの?
重力理論だ。
さっさとFIREして、続きを楽しみたいな。
「ヒトにおける音楽の進化」についても同様で、2つの仮説が存在し それらの証拠を提示して研究者は日々意見を戦わせているようです。
これは、非常に建設的に議論が行われ かつ活発な研究の対象になっている証拠です。
最後に、音楽や踊りが 進化の過程で淘汰されずに残った訳を解説して 終わりたいと思います。
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