2024年7月7日 東京都知事選。
七夕の戦いとなった東京都知事選では大きな変化があった。
現職の小池百合子氏が当選確実… はおおかた予想通りで、結果小池百合子氏は東京都知事として3期目に入った。
一方で面白かったのは2位争いだ。
当初、小池百合子氏と挑戦者の蓮舫氏の一騎打ち 女帝対決… のように報道されていたが、そこに大きな波乱があったのだ。
本当に面白い都知事選だった。
ここまで大きな波乱があるとは正直思っていなかった(期待していたが)
びっくりしたよね
立憲民主党と日本共産党の強力な後ろ盾があり、知名度も抜群の蓮舫氏が小池百合子に肉薄する展開か… と思いきや、蓮舫氏は「2位すらダメだったんですか?」となってしまった。
蓮舫氏を倒したのは、弱小泡沫自治体「安芸高田市」の前市長、石丸伸二氏だった。
石丸伸二氏はインターネットを駆使した戦略を展開。YouTubeを中心に露出を増やし、街宣の回数も1日10ヶ所以上という過密スケジュールを組み、有権者に支持を訴えた。
結果として石丸伸二氏は2位と大健闘し 165万8363票を獲得した。
2位すらダメだった蓮舫氏は、128万3262票で 石丸伸二氏に35万票以上の差をあけられた。
(ちなみに1位の小池百合子氏は291万8015票と圧倒的で、蓮舫氏の倍以上の票を獲得した)
本当にすごかった。東京に一切地盤を持たない石丸伸二氏がここまで支持を獲得するとは正直思っていなかった。
まさに石丸旋風、石丸フィーバーとも言える戦いっぷりで 彼は政治の世界での大きな台風の目になった。
そんな石丸伸二氏、開票結果が発表されてから テレビの開票番組で、番組アナウンサーに次のように聞かれた。
「都知事選の次は、国政も視野に入れているのか?」
そのような問いに対して石丸伸二氏は次のように答えた。
「意志は無いが、当然あらゆる可能性がテーブルに乗っている。国政もその一つだ。」
「例えば、広島一区」
「…あ、岸田首相の選挙区です」
メディアに注目してもらうための発言で、他の選択肢も当然ある と答えた石丸氏だが、彼の発言は様々なメディアに紹介された。
そこで今回は、石丸伸二フィーバーは広島でも通じるか?を 統計データを使って真面目に検討し、増税メガネこと岸田文雄を倒せるのか、真面目に考察していきたいと思います。
そもそもなぜ石丸伸二氏は 東京に地盤を持たないのに大躍進したか
石丸伸二氏が広島一区で出馬した場合、どのような条件があれば岸田文雄内閣総理大臣を倒せるでしょうか。
それを考えるためにはまず
「なぜ東京都知事選で石丸伸二氏が大躍進したか?」
から考える必要があります。
ここで考えた議論がそのまま広島一区で適用可能かどうかはわからないのだが、大きく参考になるだろう。
石丸伸二氏が東京で大きく支持を拡大した理由として、次の3点が考えられます。
若年層から圧倒的な支持を得た
まず抑えるべきは、石丸伸二氏の支持者の中心は若年層であると言うことです。
すでに述べた通り、石丸伸二氏はインターネットを活用した選挙戦略を展開し、結果として若年層に大きくリーチすることができました。
結果として、10代~30代の有権者にとって最大の投票先は小池百合子氏を抑えて1位でした。
石丸伸二氏の最大の功労は、若年層の支持が政治の戦局を大きく左右することを示した点だろう。
これは逆に言えば、高齢者の支持に関して大きな伸びしろがあることを意味します。
多くの高齢者は自ら情報を能動的に取ろうとせず、口を開けて毎日テレビや新聞を見ているような人たちです。
彼らがYouTubeで自ら検索して情報を取ろうとするとは考えにくいので、そこに大きな課題があるでしょう。
無党派層、日本維新の会・国民民主党の支持者から圧倒的な支持を得た
続いて重要なポイントは、石丸伸二氏の支持者の中心は無党派層、日本維新の会・国民民主党支持者であると言う点です。
日本維新の会、国民民主党は どちらも若い議員を輩出しており 結果石丸伸二氏の指示に繋がったことは容易に想像できるでしょう。
特に重要なのは、既存政治に期待をしていない無党派層の支持を取り込んだ点です。
政治に対していいイメージを持っていない人が、石丸伸二氏なら何か変えてくれるかも と期待した結果だろう。
2位すらダメだった蓮舫氏の最大の敗因は、無党派層の支持の受け皿にならなかったことでしょう。
(引用源 : https://go2senkyo.com/articles/2019/12/03/46760.html)
東京を含む都市圏で顕著なのが、支持政党を持たない無党派層が多いことです。石丸伸二氏躍進の大きな理由は、東京都最大派閥の無党派層から支持を拡大し 無党派層に限っては小池百合子氏を超えた点でしょう。
一方蓮舫陣営は日本共産党を選対チームに加えてしまった結果、無党派層は日本共産党支持者のキモい街宣を日々目の当たりにし「うわっ笑」「キモっ!!笑」となったことでしょう。
実際選挙期間中は、都内のどこに行っても蓮舫陣営が街宣を行なっており、「NO!!小池!!!!」的なプラカードを掲げ、街ゆく人からドン引きされていました。
このようにして、日本共産党が大きく足を引っ張った側面を見逃してはいけません。
選挙期間中何度か用事で都内に足を運んだが、笑ってしまった。
蓮舫陣営の異常者たちを見て「よし、小池はやめて蓮舫に一票だ!」ってなった浮動票はほとんど存在しないだろう。
この結果は、蓮舫陣営がキモかったことも見逃せませんが 同時に
既存政治に期待していない人間の票を大きく獲得した
側面が大きいでしょう。
石丸氏が既存政治に対するアンチテーゼとして機能したことを示す一例が「自民党政治家による裏金事件」でしょう
自民党の裏金事件に辟易している人からそれなりの支持を獲得している
石丸伸二氏が既存政党に対するアンチテーゼとして機能し、結果無党派層から支持を得た可能性があると述べました。
その一例が自民党の裏金事件です。
実際、裏金事件に腹を立てている層から 石丸伸二氏はそれなりの支持を獲得していることが判明しました。
以上を踏まえて、石丸伸二氏は広島一区で岸田文雄を倒せるか?
これまで幾つかの統計データを用いて、石丸伸二氏の躍進の理由を紹介しました。
以上を踏まえて広島一区で岸田文雄内閣総理大臣を倒すためには、どれくらいのパフォーマンスが必要なのか考えてみたいと思います。
2021年衆議院選挙で岸田文雄は80%を超える得票数だった
まず抑えておきたいのは、敵の強さでしょう。
岸田文雄内閣総理大臣は、2021年の衆議院選選挙で80%を超える得票率でした。
いや。。、
強すぎない 流石に
確かにめちゃくちゃ強い。
ただ忘れてはいけないのは、前回の衆議院選挙が2021年に行われたという点だ。
岸田文雄氏が80%を超える得票率であることは、挑戦者石丸伸二にとってはかなり高い壁であることを意味するでしょう。
しかし、忘れてはいけないのは
①他の候補者が共産、社民、諸派と弱すぎる
②前回の衆院選が2021年だった
の2点です。
衆院選が行われた2021年10月時点で、内閣支持率は49%、不支持率は24%でした。しかし、度重なる不祥事や増税で国民は岸田文雄内閣に対して不信感を募らせ続けています。
岸田文雄氏は内閣の顔ですので、この結果が選挙戦で影響してくることは間違い無いでしょう。
少なくとも、2021年衆院選のように80%を超える得票率は叩き出せないのでは無いでしょうか。
さらに、自民党に対する大逆風は2024年7月現在 止む気配もなく、自民党が支援した候補者が続々と地方選挙で敗退する残酷な状況です。
この自民離れは、既存政治に対する不審感を募らせている層に強い石丸伸二氏にとっては 大きな追い風になるでしょう。
では、広島にはどれくらいの自民党支持層がいるのでしょうか。
広島県の最大支持政党は自民党
石丸伸二氏の最大の持ち味は、無党派層へのアンチテーゼとして機能する点でしょう。
以上を踏まえると、無党派層、日本維新の会・国民民主党の支持者が広島一区にどれくらい住んでいるか?が一つの大きなポイントになります。
ジオテクノロジーズ株式会社の調査では、広島県の自民党支持率は2022年6月時点で39.7%でした。また、無党派層が29.6%でした。
最大の支持政党は自民党であったが、無党派層もかなりいる。
確かに自民党が最も支持されている一方、無党派層もそれなりに広島には存在していることがわかりました。
東京ほど既存政治離れが進んでいない印象ですが、2022年6月時点の調査である点を加味すると もしかしたらかなりいいところまで無党派層が増えているのでは無いでしょうか。
更に石丸伸二氏の強みは「若年層の取り込み」で、東京都知事選では現職の小池百合子氏よりも若者から支持されていました。
では、広島の人口ピラミッドを見てみましょう。
広島県は、割と若い… のか???
石丸伸二氏の強みは、若年層の支持です。
広島県の人口ピラミッドを見ると、45歳以上に大きく偏っています。石丸氏支持の30代以下はどうしても少ないです。
東京都の人口ピラミッドと比較しても、若年層が少ないことがわかるでしょう。
もしかしたら、東京都知事選で演じた大躍進は 広島では演じられないかもしれません。
更に追い討ちをかけるのは、広島県では若年層がどんどん県外へ転出してしまっているようです。理由はここでは議論しませんが、少なくとも広島の若年層にリーチしたい石丸伸二氏には痛手でしょう。
2024年(令和6年)東京都知事選の年代別投票率がまだ公表されていなかった。
ただ、若い人がより投票活動をすれば 結果は大きく変わるかもな
結果 石丸伸二氏は岸田文雄氏に勝てるのか?
これまで
①岸田文雄氏の得票率は80%超えることはなさそう
②広島県、意外と無党派層が多いが 最大派閥はやはり自民党
③自民党に大逆風が吹き荒れ、地方選挙で軒並み負けている
④広島県は東京都ほど若く無いし、若年層が裸足で逃げ出している
と述べました。
以上を踏まえると状況次第では岸田文雄氏と競るかもしれないが、かなり厳しい戦いになるのでは無いか?と予想できます。
すげぇ曖昧な結論だな
まぁ選挙は何が起こるかわからないからな。
東京都知事選で大躍進し、メディアにも認知され始めた石丸伸二氏。
メディアでいつもの石丸節が炸裂しすぎなければ、高齢者からも支持されて勝てちゃう未来もあるかもね。 …と、雑な予言をして、この記事を終わりにします。
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