2021年の研究を紹介します。移民の背景によって財政への貢献度は劇的に異なり、オランダ全体で25年間に約4,000億ユーロ(約50兆円以上)の純コストが発生していると推計されました。
これはオランダが天然ガスの採掘開始から2019年までに得た全収益と同規模の金額です。
The total net cost of immigration for the Dutch public finances for the period 1995-2019 is estimated at approximately €400 billion.
Borderless Welfare State – The Consequences of Immigration for Public Finances
この研究は1995年から2019年の全人口マイクロデータを用いたコホート分析です。
労働移民はプラス寄与ですが、難民は1人あたり約47.5万ユーロのマイナス寄与となる傾向があり、彼らの背景による収支差が極めて大きいのが特徴です。
また移民の目的によって、財政への影響は劇的に異なることがわかりました(1人あたりの平均値)。
- 労働移民: +12.5万ユーロ(約2,000万円の黒字)
- 学生移民: -7.5万ユーロ(約1,200万円の赤字)
- 家族呼び寄せ: -27.5万ユーロ(約4,400万円の赤字)
- 難民(亡命希望者): -47.5万ユーロ(約7,600万円の赤字)

更に出身地別の生涯収支には、さらに極端な差が見られます。
- プラス貢献グループ: 西洋諸国平均は+2.5万ユーロですが、特に日本、北米、オセアニア、北欧、スイスからの移民は、1人あたり平均**+20万ユーロ(約3,200万円の黒字)**という高い貢献を示しています。
- マイナス負担グループ: 非西洋諸国平均は-27.5万ユーロ。特に**モロッコ(-55万ユーロ)やアフリカの角・スーダン地域(-60万ユーロ/約9,600万円の赤字)**からの移民は、極めて大きな財政負担となっています。