【論文】日本維新の会が主張する「大学無償化」は税金をドブに捨てるゴミ政策

大学無償化が税金で支援する価値があるか 政治

「みんなに大学を!」「教育の機会を平等に!」
きれいごとを並べる政策の数々、甘い言葉で簡単に踊らされるバカな有権者たち。

大学の無償化というアホにウケそうな政策を打ち出す、人気取りの政治家。

果たして、これって本当に意味がある政策なのでしょうか。

クソニートくん
クソニートくん

いきなり火力強すぎでしょ。

Murasaki
Murasaki

ガンガン上げていくぞ。

「みんなに大学を!」「教育の機会を平等に!」

で? 大学行って何するんですか?

昼からカフェで友達とだべって、バイトして、レポートはChatGPTに丸投げ。
そんな”キャンパスライフごっこ”に、なぜ血税を突っ込まなきゃならないんでしょうか。

大学は本来、勉強して、知識を武器にする場所のはずです。

遊びたいだけならさっさと就職してお金を稼げば良いのです。
勉強する気もないヤツに、税金で授業料をプレゼントしてやる意味なんて、これっぽっちもありません。

本当に大切なのは、
「誰でも大学に行けること」じゃない。
「行くべき人間が、本当に意味のある勉強をすること」なんです。

私は明確に大学無償化には反対の立場です。ここからは学術論文や統計データを使って、いかに大学無償化がバカげているか?を大真面目に議論していきたいと思います。

この記事の結論

まず最初にこの記事の結論をお伝えしようと思います。

  • 大学進学者が増えても、国としては全く嬉しくない
  • 文系大卒はゴミ
  • 個人単位で見たら平均的にオトク
  • 令和の時代、大卒より高卒の方が遥かに価値が高い可能性すらある
クソニートくん
クソニートくん

とんでもない火力だ…

Murasaki
Murasaki

あぁ。おれは甘っちょろいことを言うのが大っ嫌いなんだ。

まず「大学の無償化」という政策について、日本ではどのように議論が進んでいるのか見ていきましょう。

大学無償化とは?

「大学無償化」とは、国民から集めた税金で大学の授業料を肩代わりする政策です。日本では「日本維新の会」の前原誠司氏が、大学無償化を強く主張しています。

彼の主張は「教育の無償化は一石四鳥」というものいかにも耳障りのいいものです。

確かに、教育格差がなくなり、少子化対策になり、国際競争力が回復し、賃金も上がる… とバラ色のメリットが述べられていますが 実際はそこまでうまくいくのでしょうか。

クソニートくん
クソニートくん

確かに… よさそうな気がするけどな。

Murasaki
Murasaki

そんな簡単に何もかもうまくいくわけないだろ。。、

私は社会保障改革に党が一丸となって取り組もうとしている日本維新の会をそこそこ評価しています。

一方で、教育無償化のような無駄な政策にリソースを割くぐらいなら、他の政党も見てみようかな という温度感です。

私には残念ながら、政治家の人気取りにしか見えない 冷めた目で「教育無償化」を眺めています。

だからこそ、維新には無駄なことしないで、一点突破で頑張ってほしいなーと思っています。

ここからは、実際に「大学無償化はやめとけ」と主張していきたいのですが、その前に素朴な問いを皆様に投げてみようと思います。

そもそも、大学って何をする場所?

大学の無償化を議論する前に、そもそも大学は何をする場所なのか考えてみましょう。

よく言われるのは、大学生は遊んでばかりだということです。

クソニートくん
クソニートくん

なんか急に説教くせーな。

Murasaki
Murasaki

まぁ、事実を述べるに止めようと思う。

カフェでだべったり、SNSに投稿したり、バイトに明け暮れたり。
大学に行って何を学んでいるのか、わからないことが多いです。

高い授業料を払って大学に通いながら、学問ではなくサークルやバイト、恋愛に向き合あってばかりの人が多いのが実態です。

大学は教育機関であると同時に研究機関でもあります。私が観測する限りでは、そもそも大学通う必要なくねぇか?と思う大学生がほとんどなのです。

ここからは、大学を無償化することで そんな彼らがどんな結末を迎えるのか考えてみようと思います。

クソニートくん
クソニートくん

そんな偉そうなことを言ってるMurasakiくんはどうだったの?

Murasaki
Murasaki

めっちゃ遊んでたぞw ただ、専門分野もちゃんと勉強したし 今は専門職に就いているから、無駄にしたわけではない と振り返って評価している。

大学無償化はやめたほうがいい理由

これまで、大学無償化は政治家の人気取りに見える点、大学生の実態について触れてきました。

ここからは、なぜ大学無償化が本当に効果的でないのか、少し深掘りしてみましょう。

単に「大学に行きやすくなった」とか「教育を平等にする」という話では済まされません。実際に大学無償化が進んだ国や地域では、予想外の結果を招いているケースもあります。

そこで、論文やデータをもとに、その現実を見ていきましょう。

イギリスの事例を見れば一目瞭然

大学を無償化すれば、誰もが進学しやすくなって、教育機会の平等が進む。そう考える人は少なくありません。

確かに、無償化によって入口が広くなれば、それが教育の格差是正につながることは 自然な発想と考えられます。

しかし実際には、無償化によって教育の格差が縮まるどころか拡大するのでは?と指摘されています。

クソニートくん
クソニートくん

えぇ!!?無償化したのに格差が拡大するの?

Murasaki
Murasaki

あぁ。驚くような結果だよな。

イギリスの事例を見れば、一目瞭然です。

実際に研究では、高等教育の無償化によって 教育の格差は拡大し その結果は複数の指標で頑健なものであることがわかりました。

2010年、イギリスの研究機関「Institute for Fiscal Studies」が発表した報告を紹介します。高等教育の拡大は、裕福な家庭の子どもたちに偏って恩恵をもたらしていた、という結果が示されました。

The key finding is a highly policy relevant one, namely that HE expansion has not been equally distributed across people from richer and poorer backgrounds. Rather, it has disproportionately benefited children from relatively rich families.

Educational Inequality and the Expansion of UK Higher Education

この研究では、1970年代から1990年代にかけてのイギリスにおける大学進学率と家庭の所得水準の関係を、複数時点の縦断データで分析しています。

結果として、大学無償化などの制度拡張によって大学進学率の窓口は大きく開かれたものの、その恩恵は主に高所得層に集中

高等教育の機会が広がっても、教育格差は縮まるどころか、むしろ拡大したというのがこの研究の結論です。

つまり、無償化によって広がるのは「機会の平等」ではなく、「格差の再生産」かもしれません。

クソニートくん
クソニートくん

まじで?めちゃくちゃ意外な結論だな。。、

Murasaki
Murasaki

私も驚いている。高等教育の無償化は、ある程度格差の是正に働くと思っていたが、研究はいきなりそれを否定してきた。

研究の結果を見ると、確かに教育格差は縮まらない… どころか拡大するという結論でした。

実際に日本の調査では、大学に進学する家庭の親は 同年代の親と比較して年収が高いことが知られています。

日本の大学生の親は そうでない親と比較して年収が高い

令和4年度 日本学生支援機構(JASSO)が行った調査を紹介します。日本の大学生の親の平均年収は、800万円前後であることがわかりました。

大学生のお子さんを持つ親の年代は概ね50代であると仮定した時、彼らの平均年収は607万円なので、大学に進学する学生の親は 比較的高収入であることがわかります。

このように、大学教育の無償化は どちらかと言えば年収が低いご家庭の支援… を通り越して、比較的年収の高いご家庭の支援をする逆進性の強い政策と言えます。

クソニートくん
クソニートくん

すっげー冷たいこというけど、年収高い家庭の子供が大学に行けば より一層豊かになって国全体としてはプラスになったりしないのかな。

Murasaki
Murasaki

いい質問だ!これについても回答していこう。

これまで、大学の無償化政策はむしろ教育格差を助長するだけなのでは?と指摘してきました。

それでもなお、「無償化で高学歴人材が増えるなら、国全体としては得なのでは?」と考える人もいるでしょう。

次の章では、大学進学率の増加と経済成長との関係について見ていきます。

大卒を増やしても、国は豊かになりません

前章では、大学無償化によって教育格差がかえって拡大する可能性を見てきました。つまり、「機会の平等」を目指した政策が、結果として「結果の不平等」を強化しかねないという逆説です。

では、それでもなお「大卒者を増やせば国は豊かになる」という議論には、説得力があるのでしょうか?

クソニートくん
クソニートくん

ある程度正しいと思うけどな。

Murasaki
Murasaki

よし。研究結果を見てみよう。

結論から言えば、その期待はあまりにも楽観的すぎます。

そもそも人材に対して教育リソースを投下すること自体は国にとっても個人にとっても喜ばしいことではありますが、先進国ではそこまで重要ではないのかもしれません。

先進国において教育の充実と経済成長の間には、弱い関係しかない

2006年の研究を紹介します。国の経済成長において国民の教育がどのように関連するか調べた研究では、先進国においては弱い関係しかないことがわかりました

Also, we provide evidence in favor of this prediction using a panel dataset covering 19 OECD countries between 1960 and 2000 and explain why previous empirical research had found no positive relationship between initial schooling level and subsequent growth in rich countries.

Growth, distance to frontier and composition of human capital

特に高等教育と国の経済成長において強い関係があったのは先進国ではなく発展途上国であることもわかりました。

このように先進国においては経済成長との関連は限定的であることが示されています。

すでに高学歴者が多数を占める社会では、追加的に大卒者を増やしても、生産性やGDPの大幅な向上にはつながりにくいのです。

むしろ高等教育の普及が経済成長と強く関連するのは、発展途上国です。こうした国々では、まだ大学進学者が少なく、教育そのものが希少な資源として機能しているため、大卒者の増加が社会全体の人的資本を底上げしやすいという背景があります。

Murasaki
Murasaki

日本は一応先進国だから、大学無償化で即座にハッピーとはならないだろう。

クソニートくん
クソニートくん

そんな違いがあるのか。。、

この研究が示唆しているのは、日本では大学進学を増やすとハッピーになるわけではない。大学進学者の数を増やすのではないなら質に注目すべきだということです。

大学無償化を行うなら、大学生の質をよくよく確認せよ という道筋も見えてきましたが、ご存知の通り 日本の大学生の質は高いとは言えないでしょう。

日本の大学生はほとんど勉強しない… にも関わらず卒業率が高い

日本の大学の進学率は、諸外国と比して低めであることが知られています。

その事実を背景に「大学無償化で、諸外国並みに大学生を受け入れろ!」と主張したくなる気持ちも、まぁわからなくもないです。

クソニートくん
クソニートくん

ん?全然間違ってなくない???

Murasaki
Murasaki

いちいち外国のモノマネをするな。

日本には日本の事情があるんだよ。

ですが、日本の大学の進学率が低いのは、大学入試で専攻された選ばれし人だけが進学の切符を手に入れられるという前提があるからです。

日本の大学は入学こそ厳しいですが、卒業が極めて困難な「ドイツ型」の大学と言えるでしょう。

日本の大学は退学率が低い

2013年に発表されたデータを紹介します。日本の大学生の退学率は、諸外国と比較して低いことが判明しました。

確かに入学時点で厳しい選考があるのだから、その分優秀な人が集まり 結果として退学率も低く抑えられている… と言えなくもなさそうです。

しかし、ご存知の通り 日本の大学生は諸外国の大学生と比較して勉強時間が少なく その上卒業も容易であるという事実があります。

日本の大学生は、アメリカの大学生と比較して圧倒的に学習時間が短い

2007年に東京大学 大学経営政策研究センターが公開した「全国大学生調査」からデータを紹介します。日本人の大学生は、アメリカ人の大学生と比較し学習時間が短いことが判明しました。

調査はサンプル数905人の学生を対象に行われたものになります。

「大学進学」は自己責任の投資です

OECDの統計によると、**大学進学の個人収益率は平均7%**程度⁴。
つまり、大学に行けば「個人」はそれなりに得をする可能性があります。

しかし、これはあくまで「平均」の話。
Carnevaleらの研究によれば、専攻や大学によって収益率は大きく変動し、
文系専攻では大学に行ってもマイナスリターンになる場合があることが指摘されています⁵。

つまり、誰彼構わず支援する政策は成り立たないのです。

さらに、日本社会特有の問題もあります。

「女に学は要らない」と言われるワケ

文科省データによると、女性の理工系進学率は低く、内閣府の報告書でも、大卒女性は結婚しづらく、本人たちの多くは「専業主婦志向」であることが示されています⁶⁷。
国費を投じるなら、社会的リターンが見込める層に優先的にすべきです。

その流れで、大学の質にも悪影響が及びます。

限界Fラン大学がゾンビのように生き残ります

無償化で定員割れの大学が延命し、スキルのない「大卒ゾンビ」が大量発生します。
文科省統計によると、すでに大学数は過剰気味で、無償化が拍車をかけるのは確実⁶。
これでは社会全体が疲弊していくだけです。

じゃあ、どうすればいいのか?

高卒こそ、今の勝ち組です

厚生労働省データによると、現在、高卒の採用ニーズは極めて高いです⁸。
若者が少ない中で、高卒はむしろ超優遇されているのです。
無料で企業から教育投資を受けられる、最高の環境が整っています。

進学するなら理系・研究職を目指すべきです

もし進学するなら、理系・専門職ルートに絞るべきです。
高付加価値な分野に進めば、進学リターンも大きく変わってきます。

無償化すべきは大学院生です

支援すべきは、むしろ大学院生。
OECDレポートによれば、日本の大学院生は経済的に非常に厳しい立場にあり、国際比較でも劣後しています³。
国の未来を担う頭脳たちこそ、優先的に支援すべき存在なのです。


脚注・参考文献

  1. Blanden, J., & Machin, S. (2004). Educational inequality and the expansion of UK higher education. Scottish Journal of Political Economy, 51(2), 230-249.
  2. Wößmann, L. (2016). The Importance of Education for Economic Growth. IfW Kiel Policy Brief.
  3. OECD. (2023). Education at a Glance 2023: OECD Indicators.
  4. OECD. (2022). Education at a Glance 2022: OECD Indicators.
  5. Carnevale, A. P., Rose, S. J., & Cheah, B. (2011). The College Payoff: Education, Occupations, Lifetime Earnings. Georgetown University Center on Education and the Workforce.
  6. 文部科学省. (2023). 学校基本調査.
  7. 内閣府. (2023). 男女共同参画白書.
  8. 厚生労働省. (2023). 労働経済白書.

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