スウェーデン犯罪防止評議会(Brå)が2021年に発表した、「国内背景および海外背景を持つ人々の犯罪容疑者に関する新調査」のプレスリリースからデータを紹介します。スウェーデンにおける重大犯罪の容疑者の過半数が海外背景を持っており、その傾向は国内生まれの「移民2世」においてより顕著です。

まず大前提として、2007年から2018年にかけて、スウェーデン国内背景を持つ人と海外背景を持つ人の両方において、人口に占める犯罪容疑者の割合は減少しています。
主要な統計結果は以下です。
- 容疑者割合が最も高いグループ: 「海外生まれの両親を持つ、国内生まれの人(いわゆる移民2世)」であり、次いで「海外生まれの人(移民1世)」となっています。
- 年齢分布の影響: 各グループ間の犯罪容疑リスクの差は、年齢構成の違いに一因があります。例えば「移民2世」のグループは、両親ともに国内生まれのグループと比較して若年層の割合が非常に高く、一般的に若者は高齢者よりも犯罪容疑をかけられる割合が高いためです。
グループ別の人口に占める容疑者割合の推移(2007年→2018年)を見てみますと
- 両親ともに国内生まれ: 1.6% → 1.4%
- 片親が海外生まれ: 3.3% → 2.6%
- 両親ともに海外生まれ(国内出生/2世): 5.3% → 4.7%
- 海外生まれ(1世): 4.0% → 3.6%
という結果でした。

また移民2世のグループはこの間に致死暴力で検挙される割合が増加するなど相対的に高いリスクを抱えていますが、人口全体で見れば小規模なグループであり、登録された全犯罪に占める割合も比較的低いです。
本調査では、年齢、性別、可処分所得、教育水準、自治体タイプなどの要因も考慮されています。
分析の結果、グループ間の年齢分布の違いが重要な要因であることが示されました。特に海外背景を持つグループ(特に2世)は若者の割合が高く、これが容疑者率の高さにつながっています。
また、収入や教育水準の格差も、リスクの差にある程度影響していることが示されました。

「じゃあ移民入れてもいいじゃん!」…とはならない?

ポイントは「収入や教育水準の格差も、リスクの差にある程度影響している」という点だ。
Bråは「年齢や所得が原因だ」とフォローしていますが、裏を返せば「それらの要因を考慮してもなお、移民2世は3倍という圧倒的なリスク差が存在し続けている」ということに注意が必要です。
あらゆる教育や福祉を彼らに施しても、依然として背景別のリスク差が「相当程度残る」ことに注意が必要です。
また、人口構成の変化により、スウェーデンの全犯罪におけるグループの割合にも変化が生じています。
- 両親ともに国内生まれ: 54.1% → 43.2%(減少)
- 移民1世: 24.3% → 29.8%(増加)
- 移民2世: 6.8% → 9.4%(増加)
- 非居住者(観光客・ギャング・申請中難民等): 6.3% → 9.0%(増加。2016年には10.3%でピーク)
