2023年の研究(メタアナリシス)を紹介します。男性の精子の量は危機的状況で、1973年と比較して精子濃度は51.6%減少 総精子数は62.3%減少という結果でした。
Overall, SC declined appreciably between 1973 and 2018 (slope in the simple linear model: -0.87 million/ml/year, 95% CI: -0.89 to -0.86; P < 0.001).
Temporal trends in sperm count: a systematic review and meta-regression analysis of samples collected globally in the 20th and 21st centuries
精子濃度は, 1973年は101.2 x10^6/ml, 2018年は 49.0×10^6/mLと推定され, 平均のSCは1973年から2018年の間に51.6%減少していました。
TSCの結果も同様で, 非選択男性(unselected for fertility)では1973年のTSCは335.7×10^6, 2018年は126.6×10^6であり, TSCの減少率は年間1.40%, 全体では62.3%減少していました。
この世界的な減少は21世紀に入っても加速度的に続いていることがデータから示唆されています。
Murasaki
この研究のポイントは、2017年にも同様の調査を行なっている点だ。
研究者らは、前回の調査(2017)の調査と比較して
「流石に減少のスピードは落ちてるっしょ」
というつもりで調査しました(そんなことなかったわけですが)。
更に、 中南米とアジア, アフリカでの精子数の動向も含めて解析 し世界中で精子減少トレンドであることを示唆した研究はこれが世界で初めてです。