国民民主党は現役世代の味方なのか?

少子高齢化

2024年の衆議院選挙で、国民民主党は「手取りを増やす」という現役世代向けの政策を掲げ、議席数を4倍に増やす快挙を成し遂げました。

テレビの党首討論では、玉木雄一郎代表が「現役世代を潰すな!」と力強く宣言し、多くの若者の支持を獲得しました。選挙後の世論調査でも、国民民主党の支持率は若者層を中心に急上昇し、ついには野党第一党である立憲民主党の支持率を上回る結果となりました。

そのため、「国民民主党=現役世代の味方」というイメージが強まっています。

Murasaki
Murasaki

正直、国民民主党の躍進は嬉しかった。

頼もしい〜と歓喜したものだ。

クソニートくん
クソニートくん

そういえば、そんなこと言ってたね。

しかし、ここ最近の彼らを見て本当に国民民主党は現役世代のための政党なのか疑問に思うことが増えてきたのも事実です。

彼らの政策を詳しく見ると、疑問が生じる点も少なくありません。

国民民主党が現役世代向けの党なのか怪しいこれだけの理由

103万円の壁突破は、本当に現役世代のための政策か?

国民民主党は、労働者の税負担を軽くするため、「103万円の壁」を突破する政策を掲げています。

その柱となるのが、基礎控除と給与所得控除を合わせて178万円に引き上げるというものです。

Murasaki
Murasaki

国民民主党の主張は「基礎控除48万円のままだと生存権が脅かされるから、最低賃金の上昇に合わせて引き上げるべき」というものだ。私は賛成だ

クソニートくん
クソニートくん

あれ、、賛成なの???

一見すると、現役世代にとって有利な政策のように思えます。

しかし、問題は年金受給者にもこの控除が適用される点にあります。

現在、65歳以上の高齢者には(最低でも)110万円の年金控除があり、これに新たな控除が加われば、多くの高齢者が住民税非課税世帯になります。

国民民主党は憲法の「生存権」を根拠に、基礎控除を最低賃金の伸びと同等に引き上げるべきだと主張しています。

これ自体は賛成なのですが、現役世代は元々「基礎控除48万円+給与所得控除55万円=103万円」だったのですが、高齢者は「基礎控除48万円+年金控除110万円=158万円」でした。

国民民主党案をそのまま受け取ると

  • 現役世代
    基礎控除48万円+給与所得控除55万円=103万円 → 基礎控除123万円+給与所得控除55万円=178万円
  • 高齢者
    基礎控除48万円+年金控除110万円=158万円 → 基礎控除123万円+年金控除110万円=233万円

結果として、税負担が減るのは現役世代ではなく高齢者の方が多くなり、逆に世代間格差が拡大する可能性があるのです。

ご存じのとおり住民税非課税世帯(ほとんど老人)はさまざまな支援を受けられます。

国民民主案をそのまま受け入れると、結果として年金受給者は233万円の壁になるわけですから、今以上に非課税世帯が増大することになります。

結果として、彼らを支援しているのは現役世代ですから さらに我々の負担が増えることになるでしょう。

Murasaki
Murasaki

年金控除が最低110万円に設定されている法的根拠を探したが、結局見つからなかった。

私は単なる老人優遇だと思っている。

高齢者は何もしていなくても、現役世代の稼ぎを賦課方式で奪い取って年金を受給しています。

よって、相応の法的根拠を持ってして「年金控除110万円」とすべきですが、それを無しに高額の控除を受け取っているのは老人特権と言わざるを得ないでしょう。

国民民主党は、控除の見直しのタイミングで年金控除も見直すべきですが これについては一切触れないのです。

訪問介護の保護

日本は少子高齢化が進み、現役世代の負担がますます増えています。その一方で、国民民主党と立憲民主党は訪問介護を保護する政策を打ち出しました。

立憲と国民が共同で訪問介護支援法案を提出(福祉新聞) - Yahoo!ニュース
立憲民主党と国民民主党は1月29日、訪問介護緊急支援法案を衆議院に提出した。訪問介護事業者への支援金支給と、次の介護報酬改定前に訪問介護の介護報酬の改定を行うことなどが柱だ。  2024年度の介

特に立憲民主党は「おひとりさまの高齢者を支援する」と主張しています。

しかし、これは結局のところ現役世代の稼ぎで支援することになり、さらに現役世代の負担が増すことになります。

Murasaki
Murasaki

こんなの、いちいち支援してたら 現役世代がもたない。

人間は最期1人で死ぬものです。それにいちいち補助金を出していたら、社会全体の財政が圧迫されるのは明白です。

引用源 : 【訪問介護が崩壊‼️】倒産相次ぐ…高齢者の暮らしに危機に。国の対応は…(https://www.youtube.com/watch?v=5z8BmgbGV3s)

さらに、訪問介護は「高齢者のわがままそのもの」とも言えます。

自分で身の回りのことができなくなったにもかかわらず、現役世代の稼いだお金で支援してほしいなら、老人ホーム等に移動して世話してもらうのが筋です。

しかし、多くの高齢者は「自分の慣れ親しんだ家で最期を迎えたい」と言います。この高齢者のわがままに、現役世代の稼ぎが湯水のように使われているのが現状です。

Murasaki
Murasaki

ハッキリいうが、介護保険料を満額支払っていないのに全サービスを受け取っている世代だ。

流石に弁えてほしい。

この問題を解決するためには、ロボット技術の導入だけでなく、「施設の大規模化・合理化・高齢者同士の支え合い」が不可欠です。

そもそも若者が減り続ける中で、訪問介護のような労働集約的なシステムは維持できません。施設を効率的に運営し、高齢者自身が互いに支え合う仕組みを構築しなければ、日本の社会保障制度は持続不可能になります。

にも関わらず国民民主党は「対決より解決」で新しい介護の枠組みを提案せず、旧来の訪問介護を保護する方向に動き始めたのです。

日本一の特大イシュー

現在、日本の国家予算の約1/3は社会保障費が占めています。財政再建が求められる中で、国民民主党はこの巨大な歳出構造に手をつける意志を見せていません。

2023年 東京財団政策研究所が実施した「日本経済と財政に関する国民調査」の結果を紹介します。日本人の多くは、財政が厳しい理由は社会保障ではなく政治家の無駄遣い(裏金・オリンピック・万博等)だと本気で思い込んでいます

引用源 : https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=4439

実際に日本の財政を圧迫しているのは、予算の1/3のを占める社会保障給付金なのですが これはほとんどの人が知らないようです。

一般会計歳出・歳入 令和6年
引用源 : https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/002.pdf
Murasaki
Murasaki

103万円を178万円に引き上げる…のは、現役世代にとっても嬉しいが ある問題がある。

2024年の衆院選で国民民主党が何度も訴えていた「103万円の壁の突破」。

これは控除額を引き上げることで、税金が安くなる減税策ですが、その額は8兆円の減収になります。

さらに、年金控除との相乗効果で、むしろ高齢者がより優遇される仕組みになっています。

現役世代を支援するための減税策が、結果的に高齢者への優遇策となり、財政負担をさらに悪化させる可能性があるのです。

Murasaki
Murasaki

国民民主党の玉木雄一郎は「税収が増え、流石に取りすぎだから 物価上昇率に合わせて税金をお返ししている」と説明している。

国民民主党の主張は「税収が増え、流石に取りすぎだから 物価上昇率に合わせて税金をお返ししている」と述べていますが、実態はどうなのでしょうか。

2024年、財務省が公表したデータを紹介します。日本の国家予算(一般会計歳出)はおおむね右肩上がりです。また、税収と一般会計歳出は大きく乖離していますが、その埋め合わせは国債の発行で賄われています。

この埋め合わせは建設公債、特例公債によって賄われています。

玉木氏の主張するように、確かに税収は2010年ごろから右肩上がり… にも関わらず、一般会計歳出とは大きく乖離している(=借金に頼っている)のが現状です。

この状況で更なる減税策を打ち出しているのですから、当然財源の議論は必須でしょう。

にも関わらず、国家予算の最大の支出である社会保障の見直しをしようとしないのです。

クソニートくん
クソニートくん

どうして社会保障の改革を国民民主党はしないのかな。

Murasaki
Murasaki

ちょっとだけ考察してみようか。

国民民主党は現役世代を向いた政策を打てるのか?

これまで、国民民主党は現役世代の支持を受けながら とてもそうは見えない実態を説明しました。

ここからは、なぜ国民民主党が真の意味で現役世代に振り切った政策を打てないのか考えてみたいと思います。

党首の玉木雄一郎が出馬する選挙区の問題

国民民主党の党首、玉木雄一郎氏が出馬する香川二区は、高齢者の割合が非常に高い地域です。

そのため、選挙に勝つためには高齢者向けの政策を打ち出さざるを得ません。

社会保障改革を進めるには、まず地元有権者の理解が不可欠ですが、高齢者層が多い地域ではそれが難しいのが現実です。

Murasaki
Murasaki

高齢者の多い地域で、現役世代を潰すな!と訴える投手が受かり続けるのは素直にすごいがな。

2025年の参院選と高齢者重視のジレンマ

国民民主党は、2025年の参議院選挙で地方の1人区にも候補者を擁立する方針です。

国民民主、1人区でも積極擁立「攻める」 夏の参院選へ方針転換 | 毎日新聞
国民民主党の榛葉賀津也幹事長は31日の記者会見で、夏の参院選で1人区にも候補者を積極的に擁立していく考えを示した。これまでは、得票順2位以下でも当選可能な複数人区を重視してきたが、「議席を増やすには1人区でも攻めていく」と方針を転換する。

しかし、地方選挙では特に高齢者の票が重要になります。

結果として、現役世代向けの改革を進めるよりも、高齢者に配慮した政策を打ち出す必要性が増してしまうのではないでしょうか?

最終章 頑張れ、国民民主!(一旦応援はやめるけど)

Screenshot

国民民主党には、確かに魅力的な政策が多くあります。特に「手取りを増やす」というテーマは、多くの若者にとって大きな関心事です。しかし、現状の政策を見ると、必ずしも現役世代だけを優遇する内容ではなく、むしろ高齢者層に手厚いものが目立ちます。

現在の支持層は若者中心ですが、若者に愛想を尽かされれば、国民民主党の勢いも失速するでしょう。

一旦応援は控えますが、今後の政策の方向性に期待したいと思います!

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