2023年のデータを紹介します。ステータスを重視する若者にとって、いじめは「地位を維持・向上させるための最も効率的なツール」として機能しています。
Social goals and gains of adolescent bullying and aggression: A meta-analysis
- The desire of becoming popular and dominant motivates adolescents to be aggressive.
- •Adolescents who bully and aggress against peers are popular but liked less.
- •Adolescent bullying and aggression can be adaptive and goal-directed behavior.
- •Teach adolescents how to acquire popularity and dominance in a pro-social manner.
■ 研究の規模
- 対象人数: 164,143名(8歳〜20歳)
- サンプル数: 148の独立した研究データ
- 手法: メタ分析構造方程式モデリング(MASEM)を用いて、いじめの「動機」と「結果」を統合的に分析。
■ 判明した残酷な真実
- 動機は「他人を出し抜くこと(代理目標)」: 「みんなと仲良くしたい(共同目標)」という欲求が低いからいじめるのではない。「他人の上に立ちたい」「支配的になりたい」「人気者になりたい」という『代理目標(Agentic goals)』が高いことが、いじめや攻撃性の直接的な引き金になっている。
- いじめによる「社会的利得」: いじめという社会的強制行動に従事することで、若者は「人気(Popularity)=社会的地位」を有意に獲得している。
- 「好感度」と「地位」のトレードオフ: いじめっ子は「好感度(Likeability:人としての好き嫌い)」は失うが、引き換えに「人気・ステータス」を手に入れている。彼らにとって、好かれることよりも「力を持つこと」の方が価値が高いという戦略的選択が見て取れる。

■ 結論 いじめや攻撃性は、不適応な問題行動ではなく、「社会的地位を効率的に獲得するための『適応的かつ目標指向的』な行動」であると結論づけられた。