【論文】ChatGPT登場後、ライティング系フリーランスの仕事と収入は減少し、ベテランほど打撃が大きかった

2024年のシャン・フイ(Xiang Hui)らの研究を紹介します。生成AIが雇用に与える影響を「将来の予測」ではなく「すでに観測された実データ」として捉えた、初期の代表的な実証研究です。

項目内容
論文タイトルThe Short-Term Effects of Generative Artificial Intelligence on Employment: Evidence from an Online Labor Market
著者Xiang Hui, Oren Reshef, Luofeng Zhou
掲載誌Organization Science 35(6), 1977-1989(2024年11月)

世界最大級のフリーランスプラットフォームであるUpworkを対象に、ChatGPTの公開前後で、ライティング関連職種とそれ以外の職種の受注状況・報酬がどう変化したかを比較分析したものです。画像生成ツール(DALL-E、Midjourney)の公開とデザイナー職の関係も併せて検証されています。

分析の結果、ChatGPT公開後、ライティング関連のフリーランサーの月間案件数は2%、月間収入は5.2%減少しました。画像生成ツールの登場後は、デザイン関連の職種でも同様の減少が観測されています。

そして本研究で最も重要な発見は、打撃の分布です。マイナスの影響は、高単価・高品質のサービスを提供していた経験豊富なフリーランサーにおいて、とりわけ顕著でした。 研究者らは当初、熟練者ほど技術の影響から保護されると想定していたため、この結果は予想に反するものだったと述べています。

生成AIによる代替は、経験の浅い低単価層から順に起きるのではありません。むしろ「高い対価を取れていた熟練の書き手」から先に侵食が始まったという観測結果が示されています。

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