【論文】科学的コンセンサスが得られている知見に反対する人ほど、実際の科学的知識は最低レベル

2022年の研究を紹介します。科学的コンセンサスが得られている知見に反対している人は、そうでない人と比較して客観的知識レベルは最も低いが、主観的知識レベルは最も高いことが示された。

Across seven critical issues that enjoy substantial scientific consensus, as well as attitudes toward COVID-19 vaccines and mitigation measures like mask wearing and social distancing, results indicate that those with the highest levels of opposition have the lowest levels of objective knowledge but the highest levels of subjective knowledge.

https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abo0038

研究チームはアメリカに在住の成人3249人の被験者に

  • 科学的コンセンサスが得られている7つの重要な問題
  • COVID-19ワクチン・マスク着用・社会的距離の取り方のような緩和策

に対する態度を調べて評価しました。

実験①

参加者たちに、以下の7つの科学的コンセンサスが得られているテーマのうち1つをランダムに割り当て、そのテーマに対する科学的コンセンサスを支持するか、反対するかを尋ねました。

  • 気候変動
  • 遺伝子組み換え食品
  • 原子力発電
  • ワクチン接種
  • 進化
  • ビッグバン
  • ホメオパシー医学

更にそのテーマについて、「なんとなく理解している」から「完全に理解している」まで7段階で評価してもらいました。

実験②

参加者たちの科学知識を評価するために、ランダムな順番で出題される34問のテストを実施しました。

彼らは、「地球の中心は高温である」「すべての昆虫は8本足である」「電子は原子よりも小さい」「窒素は地球の大気の大部分を構成している」「太陽系でヘリウムが採取できるのは地球だけである」などの問題に、「真」か「偽」で回答しました。

結果

与えられた科学的コンセンサスが得られているテーマに反対する人ほど、そのテーマについて「完全に理解している」と主張する傾向があると判明しました。

しかし、それら科学的コンセンサスに反対する人ほど、科学知識のテストでは点数が悪くなる傾向にありました。

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