2013年の研究を紹介します。医療保険に加入している人とそうでない人を比較した結果、健康に与える影響はほとんどないのでは?と言う結論が出ました。
We found no significant effect of Medicaid coverage on the prevalence or diagnosis of hypertension or high cholesterol levels or on the use of medication for these conditions. Medicaid coverage significantly increased the probability of a diagnosis of diabetes and the use of diabetes medication, but we observed no significant effect on average glycated hemoglobin levels or on the percentage of participants with levels of 6.5% or higher. Medicaid coverage decreased the probability of a positive screening for depression (−9.15 percentage points; 95% confidence interval, −16.70 to −1.60; P=0.02), increased the use of many preventive services, and nearly eliminated catastrophic out-of-pocket medical expenditures.
The Oregon Experiment — Effects of Medicaid on Clinical Outcomes
研究では2008年にオレゴン州で行われた、メディケイドの適用を申請できるように無作為に選ばれた成人6387人と、選ばれなかった成人5842人からデータを得て解析されました。
結果として
①高血圧または高コレステロール値の有病率または診断、あるいはこれらの疾患の治療薬の使用に対するメディケイド適用の有意な効果は認められなかった
②メディケイドの適用は、糖尿病の診断および糖尿病治療薬の使用の確率を有意に増加させたが、平均糖化ヘモグロビン値または6.5%以上の値を示す参加者の割合には有意な影響を認めなかった
③メディケイドの適用により、うつ病のスクリーニングで陽性となる確率が減少し(-9.15%ポイント;95%信頼区間、-16.70~-1.60;P=0.02)
④多くの予防サービスの利用が増加し、破滅的な医療費の自己負担がほぼなくなった。
とのことでした。