【論文】少子化の駆動要因は、女性の社会進出と避妊のアクセス向上

2024年に発表された研究を紹介します。合計特殊出生率低下の主要な駆動要因は

  • 女性の教育水準の向上
  • 避妊へのアクセス向上

の2点だと結論づけられました。

Forecast estimates for the alternative combined scenario suggest that meeting SDG targets for education and contraceptive met need, as well as implementing pro-natal policies, would result in global TFRs of 1·65 (1·40–1·92) in 2050 and 1·62 (1·35–1·95) in 2100. 

Global fertility in 204 countries and territories, 1950–2021, with forecasts to 2100: a comprehensive demographic analysis for the Global Burden of Disease Study 2021

この研究では以下のような手法で調査されました。

  • データ量: 8,709カ国・年分の登録データ、1,455の調査・国勢調査など膨大なソースを統合。
  • 予測モデル: 安定性の高い「50歳時点の完結出生児数(CCF50)」をベースに分析。
  • 変数の使用: 「女性の教育水準」「避妊ニーズの充足率」「人口密度」「5歳未満児死亡率」を主要な変数として使用。
  • シナリオ設定: 1. 標準シナリオ(現状の延長) 2. SDGsの教育目標達成 3. SDGsの避妊ニーズ達成 4. 出生率向上政策(少子化対策)の実施 5. 上記すべての組み合わせ

主要な結果として

  • 出生率の急落: 世界の合計特殊出生率(TFR)は、1950年の 4.84 から2021年には 2.23 へと半減。
  • ピークアウト: 年間の出生数は2016年の1億4200万人がピークで、2021年には1億2900万人に減少。
  • 将来予測: 2100年には世界のTFRは 1.59 まで下がる。人口置換水準(2.1)を維持できるのは、わずか 6カ国(サハラ以南のアフリカ諸国など) だけになる。
  • 世界のパワーバランスの変化: 2100年には、世界で生まれる赤ちゃんの 54.3% がサハラ以南のアフリカに集中する。一方で南アジアなどは激減。
  • 対策の虚しさ: 教育・避妊・少子化対策をすべて盛り込んだ「最強シナリオ」でも、2100年のTFR予測は 1.62。標準シナリオ(1.59)と大差ない

となりました。

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